(英エコノミスト誌 2015年8月8号)

世界は中国の経済よりも政治についてもっと心配すべきだ。

習主席、給与62%アップ 中国メディア

習近平国家主席は歴代の中国指導者とは大きくタイプが異なる〔AFPBB News

 中国の指導者たちにとって、夏の休暇はいつも同じだ。彼らは毎年、蒸し暑い首都から姿をくらまし、北戴河の海沿いの閉鎖された区画にある別荘に集まる。北戴河は、もっときらびやかな保養地に出かける余裕のない中国人や、太陽と砂のあるところならどこでもホッとするシベリア出身のロシア人を除けば、誰もあまり魅力を感じないリゾート地だ。

 北戴河行きの伝統を作ったのは毛沢東だ。毛沢東は、北戴河にそれなりに刺激されて、この地に関する詩を書いたことで知られる唯一の中国の指導者だ。

 それは不安な色を帯びた詩で、こんな言葉で終わっている。「物寂しい秋風が囁き、ため息をつく。人間の世界を除けば、何も変わっていない」――。

 習近平国家主席とその同僚たちは現在、北戴河にいると考えられており、多少の気晴らしと国家の重大事を結び付けるという毛沢東の慣行を続け、極秘に開かれる海辺の会議で今後1年の戦略を徹底的に議論している模様だ*1

四半期ぶりの低成長、暴落する株式市場・・・

 3年近く前に指導者の地位に就いてから、中国では実際どれくらいの変化があったのだろうか、と習氏は思い巡らしているかもしれない。

 中国経済は四半世紀ぶりの低成長の年になる道を歩んでいる。7年前の世界金融危機以来の高値まで上昇していた株式市場は、先月暴落した。かつて経済的奇跡としてもてはやされた中国は今、不安な前兆の源泉になっている。最近の世界的なコモディティー(商品)価格の下落を見るといい。

 習氏は、減速する経済を「新常態(ニューノーマル)」――中国が信用を原動力とした投資への依存度を下げていることを示す歓迎すべき兆候――と表現することを好む。

 だが、党のエリートたちの間では、金融面の緊張が全面的な危機に発展するのを食い止められるスピードでの経済成長を維持する方法を巡って、議論が沸き起こっている。

*1=英エコノミスト誌の別の記事によると、北戴河会議は例年、8月第2週に始まり、7日間程度で終わるが、今年は1週間早く始まり、13日間続く可能性があり、特に重要な会議と見なされるという