トルコ軍の車列に自動車爆弾、兵士2人死亡 南東部のクルド人地域

トルコ南東部シュルナク県で銃を持つクルド労働者党(PKK)のメンバー(2014年12月28日撮影、資料写真)。(c)AFP/ILYAS AKENGIN〔AFPBB News

 とうとう「帝国の逆襲」が始まったようです。スターウォーズではなく、現実の中東地域において。

 この1カ月ほどの間に、かつて中東地域の帝国であったトルコとイランの両国において大きな変化が現れたことは、帝国の逆襲と呼ぶことが最もふさわしいのではないでしょうか。

 トルコは、シリア北部への空爆を開始し、かつてのオスマン帝国の領域にまで実力に訴えるという決意を露わにしました。そして、核問題合意という成果を得たイランは、かつてのサファヴィー朝の版図の一部であった地域への影響力を今後一層伸張させることは間違いありません。

 中東の無秩序の只中では、トルコやイランといった古い国家が、主権国家からなる「ウェストファリア体制」の則を越え、かつての帝国的な行動を是とするようになったとしても、いささかも不思議はありません。

(注:17世紀にドイツを中心に起きた宗教戦争「30年戦争」の終戦条約がウェストファリア条約。現在の主権国家体制を生み出したと言われる。)

 イラクとシリアを中心としてダーイシュ(=イスラム国、IS、ISIL)などの非国家主体の登場に自らの安全保障を脅かされるようなことは、トルコやイランといった古い帝国国家は許容できないのです。

 より正確には、トルコやイランは、こうした有象無象の非国家主体を自らの支配下におきつつ、この混乱を自らの国益に転化させていくような帝国としての知恵をもともと有しているのです。

 本稿では、皆さんと一緒に中東地域で起きている真の変化が何なのかを探るべく、トルコによる外交・安全保障政策の変化を取り上げたいと思います。