(2015年8月1/2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

イスラエル首相、イランめぐり米と確執も関係の強さを強調

写真は今年3月、米ワシントンで開かれた米イスラエル公共問題委員会(AIPAC)の年次会合で演説するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相〔AFPBB News

 米国ではイランとの核協議の合意を巡って激しいロビイング合戦が行われており、米国のユダヤ人コミュニティーで深まりつつある亀裂があらわになっている。米国におけるイスラエルの影響力に長期的な変化が生じる恐れもありそうだ。

 最近、イランとの合意への賛成や反対を呼びかけるテレビCMが数百万ドル単位のコストをかけて放送されている。

 その大部分は、裕福な支援者を得ながら互いに対立する親イスラエル派グループが提供している。

 米国政治においてイスラエルとその関心事が独特な役割を担っていることを反映し、ユダヤ系の有権者とユダヤ系の政治家もこの最終合意の賢明さを判断する非公式審判員になっており、彼らの見解や承認が熱心に求められたり、逆に反論にさらされたりしている。

 イスラエル政府はイランとの合意に強く反対しているが、そのイスラエルにしてみれば、正反対の意見がぶつかり合うことには米国とイスラエルとの関係に強い党派性が持ち込まれるというリスクがある。実際、イスラエルは、米連邦議会の共和党議員(イランとの合意にほぼ全員が反対している)の肩を持っていると見られている。

イスラエル政府と大多数のユダヤ系米国人の間にも亀裂

 また、もし世論調査の結果を信じるなら、この核協議に関する議論はイスラエル政府と米国在住ユダヤ人の過半数との間にある亀裂もあらわにしている。後者は核協議での合意を支持していると見られるためだ。

 「あちらの陣営のロビイングは非常に活発で、資金も潤沢で、運動を容赦なく進めている」。バラク・オバマ大統領は7月30日の夜、左翼系の親イスラエルグループ、Jストリートをはじめとする支援者たちとの電話でこう語った。

 そして、「あなた方が声を上げなければ、米国をイラクとの戦争に向かわせた勢力がこの歴史的な機会を無視し、軍事紛争につながりかねない道に米国を進ませることになるだろう」と付け加えた。