(2015年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

国立公園周辺の狩猟規制を強化、人気ライオン殺害で ジンバブエ

ジンバブエの国立公園で人気を集めていたライオンのセシル(手前)〔AFPBB News

 ジンバブエで――そして今や世界で――最も有名なライオン「セシル」が米国人歯科医に撃たれた後、40時間苦しんで死んだ時、セシルは少なくとも、それまでの13年間を自由に歩き回って過ごせただけ幸運だった。

 対照的に、アフリカ南部の6000頭ものライオンは、裕福な観光客の狩りの対象となる目的で、捕獲状態に置かれて飼育されている。

 世界中の怒りを買った後に姿を隠した米ミネソタ州の歯科医、ウォルター・パーマー氏によるセシル射殺は、アフリカ南部の猛獣狩りにスポットライトを当てた。

 米国に本拠を置くワイルドエイドのピーター・ナイツ専務理事によれば、同産業は推定で年間10億ドル前後の価値があるという。

 セシルはジンバブエの動物保護区から違法におびき出されたとされる。セシルの死を巡っては、2人の男が逮捕されており、ジンバブエの裁判所で密猟の罪に問われる可能性がある。

 一方、パーマー氏は自分が法律を破っていることを知らなかったと主張している。それでも、モザンビークやナミビア、タンザニアと並び、ジンバブエの一部でも狩りは合法だ。

金持ちの狩猟のために飼育されるライオン

 一方、南アフリカ共和国には、南アに来て、狩りに数十万ドル支払う裕福な観光客のためにライオンを飼育することを主目的とする牧場が200戸ある。南アフリカ捕食動物連盟のピーテル・ポットヒテル会長によれば、毎年約900頭が合法的な狩りで殺されている。「残りは観光目的のために飼育されており、一部は主に中東とアジアに輸出されている」と同氏は言う。

 この行為は「キャンド・ハンティング*1」として知られるようになった。幼獣は通常、小さいうちに母親から引き離され、観光客にとって脅威になるまで、可愛がるために飼われる。完全に成長しきったら、ハンターの獲物にされる仕組みだ。

*1=canned hunting、檻などで囲われた狭い領地で、狩猟目的で飼育された動物を狩ること