(2015年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

人事評価から解放されたら大喜びする社員は多いはず・・・ (c) Can Stock Photo

 筆者は先週、本当に久しぶりに、とても励みになる出来事を体験した。素晴らしいシンガーで過食症を患っていたエイミー・ワインハウスがアルコールの過剰摂取で亡くなったことを取り上げたドキュメンタリー番組を最後まで見て心を痛め、何か自分を慰めてくれるものはないかと探していたのだが、アクセンチュアの最高経営責任者(CEO)が最新の経営計画について語ったビデオクリップでこれほどの慰めが得られるとは、まさか思ってもみなかった。

 わずか1分間の動画の中で、同社のピエール・ナンテルムCEOは素晴らしいことを語っていた。全従業員33万人を毎年の人事評価の茶番から解放する、と述べたのだ。

 「成績管理にあれだけの時間を費やすことがそれだけの大きな成果を生んできたかどうか、我々にはよく分からない」。ナンテルム氏は米ワシントン・ポスト紙にこう語った。

 「個々の社員についてどう思っているかを、年に1度当人と話す。そんなのはおかしい。社員はみな・・・自分が今ちゃんとできているかどうかを知りたがっている。そういうフィードバックを1年間待とうという社員はいない」

オフィスワーカーと管理職が20年前から知っていたこと

 この常識的な考え方の吐露において最も特筆すべきは、この発言がパラダイムを破壊する世界クラスのナンセンスをいくつか世に送り出してきたアクセンチュアから出てきたことだ。あの恥ずかしい「~より大なり」という不等号を企業ロゴに使ったのは同社だった。

 中身のない話をするのはこの会社だけでなく、同社の幹部たちも同様だ。

 「High performance. Delivered(ハイパフォーマンス。実現)」というスローガンを編み出したのも同社だ。これはたわ言の度が過ぎていて、文法があまりにもひどい。

 西側世界ではもう20年も前からすべてのオフィスワーカーと管理職には明らかだったことにこの会社が今気づいたという事実は、とても喜ばしいことだと筆者は思っている。また、非常にエキサイティングなことでもある。成績評価というものがほどなく、すべての人にとって終わりを迎えるのだから。