(2015年7月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

新興国市場で急成長を遂げてきた現代自動車(写真:Hyundai Motor America)

 韓国の現代自動車による予想外の株主配当(2億3000万ドル)は、同社のコーポレートガバナンス(企業統治)基準をこの9カ月間批判してきた投資家への和解提案にほかならない。

 しかし、23日に発表された同社初の中間配当では、強まる減益傾向の深刻さを覆い隠すには至らなかった。

 同社は中国の景気減速で打撃を受けているうえに、古くなった製品ラインアップが大型SUV(スポーツ多目的車)の人気化から不意打ちを食らうという苦難にも見舞われている。

 現代自動車は23日、第2四半期の純利益が前年同期比で24%減ったことも明らかにした。アナリストの予想通りの内容で、純利益はこれで6四半期連続の前年割れとなった。

需要に追いつけなかった数年前とは様変わり

 急激な業績の悪化は数年前とは対照的だ。同社は今年、本国と中国の両方の工場で減産に踏み切ったが、世界金融危機が発生した時には世界最高の成長率を誇る自動車メーカーになり、つい2、3年前までは需要に応えるのに苦労するほどだった。

 大和証券の調べによれば、2009年から2011年にかけて現代自動車の販売台数は約30%増加し、業界全体の伸び率(21%増)を上回っていた。

 「セダンからSUVへの需要のシフトと、新興国の経済状況の弱さを考えると、現代のセダンの強力なラインアップと新興国での強さは逆風になりつつある」。大和のアナリスト、チョン・ソンヨプ氏は先日公表したリポートでこう指摘している。

 この1年、原油安が進むにつれて燃費の悪いSUVの需要は急増した。生産量に占めるSUVの割合が比較的小さい現代自動車にとっては困った事態だ。実際、SUVが手薄なことは、中国と米国という世界の2大自動車市場で同社が市場シェアを着実に落としている主な要因になっている。