(2015年7月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ギリシャが無条件での支援延長を申請、ドイツは難色

マラソン会議を経て、何とか目先のグレグジットは避けられたが・・・〔AFPBB News

 ギリシャのアレクシス・チプラス首相は決して、ヤニス・バルファキス氏を財務相に起用すべきではなかった。あるいは、起用したなら、バルファキス氏の言うことに耳を傾け、続投させるべきだった。だが、チプラス首相は最悪の選択肢を選んでしまった。

 チプラス氏は、債権者の提案を拒否しろというバルファキス氏の助言に、先週まで従った。

 だが、その上で、ギリシャの銀行が閉鎖した時のためのバルファキス氏の「プランB」――並行通貨、つまり、ギリシャ政府が発行するが、ユーロ建ての「IOU(借用書)」の即時導入――を拒否することで重大なミスを犯した。

 並行通貨があれば、ギリシャ国民は、現金の引き出しが1日60ユーロに制限された時に、日々の取引のお金を払えたはずだ。全面的な経済崩壊は避けることができたのだ。

チプラス首相の痛恨のミス

 だが、チプラス氏はこれをやろうとせず、実際、どんなプランBも受け入れなかった。その代わり、債権者に降伏した。その時点で、同氏はもう、グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)を選ぶ立場にさえなかった。

 円滑な離脱のための経済的な前提条件は、プライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字と、民間部門における同規模の黒字(資金余剰)だった。

 ギリシャには、外貨準備がない。もしギリシャが通貨ドラクマを復活させたとすれば、輸出で得る外貨収入ですべての輸入代金を賄わなければならなかった。こうした最低限の前提条件は3月には整っていたが、7月には存在しなかった。

 このため、チプラス氏は前任者たちと同様、また新しい、ろくでもない救済合意に至る羽目になった。そして、今回の救済策には以前の策と同じ根本的な欠点がある。筆者はここから、グレグジットが依然として最も可能性の高い究極の結末になるとの結論に至る。