(2015年7月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

EU首脳会議、ユーロ圏全銀行の一元監督で合意 13年から段階的

離脱のメカニズムができると、ユーロ圏はただの固定為替相場制に近い存在になる〔AFPBB News

 我々の多くが当たり前のこととして受け止め、一部の人が信じていたいくつかのことが、たった1回の週末で終わりを迎えた。ギリシャの債権者はアレクシス・チプラス首相を屈辱的な敗北に追い込むことで、ギリシャにレジームチェンジ(体制転換)をもたらしたり、ギリシャとユーロ圏との関係を危険にさらしたりするよりも、ずっと多くのことをした。

 我々が知っている形のユーロ圏を破壊し、民主的な政治同盟に向けた一歩としての通貨同盟という概念を打ち壊したのだ。

 そうすることで、債権者たちは19世紀から20世紀初頭にかけての国家主義的な欧州勢力争いに逆戻りした。

 ユーロ圏はこれで、単一通貨を共有し、ドイツの利益のために運営され、既存秩序に盾突く者は絶対的な困窮に見舞われるという脅しによって結束が保たれる有害な固定為替相場制に成り下がってしまった。

 先週末の会合について言える精一杯の褒め言葉は、このレジームチェンジを促した人たちが容赦ないほど正直だったということだ。

ドイツが正式に離脱メカニズムを提案した重み

 だが、際立ったのは残酷さだけではないし、ギリシャの完全降伏ですらなかった。重要な変化は、ドイツが正式に離脱メカニズムを提案したということだ。7月11日土曜日、ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相は、期限付きのユーロ圏離脱を要求した。本人の言葉を借りるなら、「タイムアウト」だ。

 筆者はこれまでの人生で、突拍子もない提案をかなり聞いたことがあるが、これはトップクラスだ。一加盟国が他の加盟国の除名を要求したのだ。これこそが先週末の本当の一大事だった。ギリシャのレジームチェンジのみならず、ユーロ圏のレジームチェンジも起きたのだ。