タリスマン・セイバーで上陸訓練を実施する米海兵隊(写真:米海軍)

 2年に一度開催されているオーストラリア軍とアメリカ軍の合同軍事演習「タリスマン・セイバー」が、オーストラリア北部ダーウィン近郊のフォグベイを中心に実施されている。

 この軍事演習は米豪両軍から3万名を超える将兵が参加する大規模なものである。オーストラリア軍にとってはアメリカとの親密な同盟関係を誇示するためにも重要な機会となっている。

約40名の陸自部隊が初参加

 今回は、初めて日本からも陸上自衛隊の部隊が参加している。このため「日本とオーストラリアの准同盟化」といったニュアンスで取り上げている日本のメディアも存在する。ただし、タリスマン・セイバーに陸自部隊が参加しているといっても、オーストラリア当局側では日豪軍事同盟を見据えたような参加と考えているわけではない。

 参加している陸自部隊はわずか40名ほどの小部隊であるし、そもそも主催国であるオーストラリア側としては、あくまでも豪米軍事同盟の強化が目的である以上、“余分”な要素が加入することには積極的ではなかった。

 そのため、西部普通科方面連隊から極めて小規模な部隊が抽出されてアメリカ海兵隊第31海兵遠征隊(アメリカ海兵隊は日米豪の軍事的結びつき強化を望んでいる)に組み込まれた形で参加するということで日本の参加が実現したという事情がある。