(英エコノミスト誌 2015年6月27日号)

クレムリンはロシア国内で法の支配をほとんど顧みない。西側の裁判所はそれほど従順ではない。

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西側諸国の頭痛の種になっているロシアのウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News

 ロシアは、西側諸国にとって最も大きな頭痛の種の1つだ。ウラジーミル・プーチン氏率いるクレムリンは、北大西洋条約機構(NATO)がバルト諸国で防衛態勢を強化するほどまでに隣国の脅威になっている。欧州連合(EU)は、ロシアがウクライナを攻撃した後に科した経済制裁を延長したばかりだ。

 だが、モスクワの政権にその行動の結果をはっきり悟らせるために、各国政府は西側の裁判所ほど多くのことはしていない。

 西側の裁判所ではロシアが、この国に自分たちの資産を没収された投資家からの訴訟の嵐にさらされている。

 ロシアでクレムリンが法の支配を軽視していることは、かつてロシア最大の石油会社で、最もうまく経営されていたユコスの略奪で実証された。独立志向の強いユコスCEO(最高経営責任者)のミハイル・ホドルコフスキー氏は大富豪であると同時に、政治的な厄介者だった。そのため、一連の偽の訴訟によってユコスは解体された。

 2004年の疑わしい競売の後、ユコスの最優良資産はプーチン氏の盟友が経営する国営石油会社ロスネフチのものになった。

株主の反撃

 当時、それはクレムリンにとって明らかな勝利のように見えた。ところが、それから10年以上が経過した今、何十億ドルもの損失を被ったユコスの株主たちは外国の裁判所で補償を得ようと努力し、著しい前進を遂げている。

 ロシア側は、ストラスブールやストックホルム、ハーグの仲裁裁判所で、いくつか大型訴訟に敗れている。そのうちの最後の訴訟では、外国人投資家を保護しなかったとして、ロシアに過去最高額となる500億ドルの賠償金の支払いを命じる判決が下された。

 原告らは今、世界中にあるロシアの国家資産を捜し当てて、自分たちのカネを取り戻そうとしている。