(2015年6月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

「国民投票でイエスを」 欧州首脳らギリシャ国民に呼びかけ

6月29日、ギリシャ・アテネの同国議会前で、欧州の債権団が示した金融支援の条件に反対するデモに参加した人たち〔AFPBB News

 ヨルゴス・アラバノスさんは同僚とお茶を飲みながら一息入れている時、今度の日曜日にギリシャ国民が「イエス」か「ノー」で答えなければならない厄介な設問について説明してくれないかと頼まれた。

 「あきらめるしかなかった」。アテネでパンを売るチェーン店の経理課長を務める46歳のアラバノスさんはこう語る。

 「債務持続可能性分析とは何かなんて、銀行業界にいなくちゃ分からないよ。ましてや、それを受け入れるべきかどうかなんていう質問、答えられるわけがない」

 国民投票の設問の言い回しでは、アレクシス・チプラス首相が幸先の良いスタートを切ったと言えるかもしれない。チプラス氏は債権者たちとの交渉の席を立った後、先週金曜日にギリシャ市民に対し「ノー」に1票を投じるよう呼びかけていた。

ギリシャの運命を決する問い

 ギリシャの国民は、専門用語が混じったかなり難しい設問を読み、債権者側が示した合意文書の草稿を受け入れるか否かを答えることになる。だが、チプラス氏に敵対する勢力に言わせれば、「現行プログラム」とか「債務持続可能性分析」に言及した分かりにくい文章の裏側には、飾り気のないシンプルな選択が潜んでいる。

 「我々は欧州にとどまりたい。馬鹿なまねをしないようにしよう。国民投票で問われるのは、要するに、そういうことだ」。ギリシャのオンブズマンを経て政界入りしたヨルゴス・カミニス氏は日曜日、テレビのインタビューに応じてそう述べた。

■イエスかノーか:投票用紙に書かれた文言

ギリシャ国民は来る日曜日の国民投票で、頭文字に満ち、ユーロに全く言及しない複雑な質問を突き付けられる。

「EC(欧州委員会)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)によって6月25日のユーロ圏財務相会合に提出された、全体の提案を構成する2つの部分から成る合意文書草案は受け入れられるべきか? 1つ目の文書は『現行プログラムの完了とその先のための改革』、2つ目は『暫定的な債務持続可能性分析』と題されている」

回答者は単純に、イエスかノーかを問われる。