(2015年6月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ギリシャ、7月6日まで銀行休業 ATM引き出し制限

6月27日、ギリシャの首都アテネで、現金を引き出そうとATM前に列をつくる市民ら〔AFPBB News

 6月27日土曜の夜。ギリシャのヤニス・バルファキス財務相抜きで行われた会議を終えて姿を現したユーロ圏諸国の財務相たちは、ギリシャは欧州連合(EU)の共通通貨導入圏にとどまっていると全員に念を押した。

 「ギリシャがユーロ圏の一員であることは明らかだ」。ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相はこう言った。そして「さらに、ギリシャは欧州の一員でもある」と付け加えた。

 欧州中央銀行(ECB)は6月28日、ギリシャの銀行を生きながらえさせている緊急融資を打ち切ることはせず、その上限を890億ユーロに定めた。この措置は、ギリシャの銀行がもう預金の引き出しに応じられないことを意味している。しかし重要なことに、ギリシャの銀行がつぶれないことも意味している。

 銀行は休業すると発表された。しかし、もしギリシャ政府が現在の窮状を脱する方法を見つけることができれば、銀行はユーロ建ての預金の引き出しに応じられる状態で営業を再開できる可能性がある。

 一方、もしECBが緊急融資を完全に打ち切ることになったら、その時点でギリシャの銀行システムは崩壊し、ユーロではない新しい通貨で営業を再開せざるを得なくなる。恐らく、グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)という事態になるだろう。

 「振り返ってみれば、先週は毎日サプライズがあった」。ピエール・モスコビシ欧州委員(経済・金融問題担当)はインタビューで、交渉がまとまる可能性があると思っているのはなぜかと問われ、そう語った。

IMFへのデフォルトは問題視されない可能性

 しかしユーロ圏の当局者らによれば、これまでの支援プログラムが明日30日に失効すれば、ギリシャ政府では状況が急変するはずだ。7月1日から、ギリシャ孤立の性質が根底から変化するのだという。ある高官は「6月30日を過ぎたら、我々の交渉は新しい局面に入る」と述べた。

 ギリシャ政府が最初に飛ばなければならないハードルは、国際通貨基金(IMF)からの借入金15億ユーロの返済だ。期日は明日、6月30日だ。金融支援を受けていなければデフォルト(債務不履行)になる公算が大きい。だが実際のところ、ユーロ圏内にとどまることについて言うなら、IMFからの借り入れのデフォルトは大きな問題にならないかもしれない。