(2015年6月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

英首相、全国で地方分権推進を約束、スコットランド独立否決

英国のデビッド・キャメロン首相はどんな指導者として歴史に刻まれるのか・・・〔AFPBB News

 欧州における英国の立場を問う国民投票を約束することは、常に無謀な賭け――戦略的な結果に目を向けない戦術的逸脱行為――だった。危険の度合いは高まっている。

 他の欧州諸国は、英国が離脱するのを見たくないと思っているが、欧州連合(EU)は英国が離脱しても何とかやっていくだろう。

 英国にとって、この選択は存在を左右するものになっている。英国が欧州から離れれば、スコットランドが英国から離れるだろう。

 「Brexit(ブレグジット、英国のEU離脱)」が起きたら、英国という連合王国は長くは持ちこたえられないだろう。

 国民投票は、デビッド・キャメロン首相率いる保守党内の厄介な欧州統合懐疑派をなだめるために提案された。期待を持っている人もいる。首相が利害をはっきり理解し始めた兆しがある。

目標を下げるキャメロン首相

 自党を分裂させた指導者として、あるいは欧州大陸からの英国の撤退を立案した設計者として記憶されるかもしれないという話は、この際気にしなくていい。

 欧州を巡る保守党の反乱を抑えるための仕掛けがイングランドとスコットランドの連合解体につながったと記録されることになれば、歴史はもっと首相に厳しいはずだ。

 そのため、キャメロン政権は目標を下げている。フィリップ・ハモンド外相が5月25日の英国総選挙の前に欧州各国の首都を訪問した時には、カウンターパートであるEU加盟国の27人の外相のうち25人が同氏に、英国の例外主義を受け入れるためにEUの基本条約を書き替えることはないと伝えた。