(2015年6月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

債務問題はもうたくさん!ギリシャ国民はさばさば

ギリシャ・アテネの中心街で、「欧州の刑務所からギリシャを助けよう」と落書きされた塀の前を通り過ぎる男性〔AFPBB News

 ギリシャの首都アテネの小さなアパートで、マルガリータさんは木の床の上にあぐらをかいて座っている。その周りには、家族の持ち物が入った段ボール箱が山積みになっている。

 「亡くなった両親の家に住むことになるなんて、思ってもみませんでした」。42歳のマルガリータさんはこう語る。

 3年前に勤め先の銀行を解雇された夫のジョージさんは、2つの寝室と1つのバルコニーがあるこのアパートに防犯シャッターを取り付ける職人たちを見守っている。

 16歳になる娘のクリスティーナは、狭いキッチンでコーヒーをいれている。

 名字を明かさないでほしいというこの3人家族は、アテネ北部の郊外にある邸宅から都心の住宅街に引っ越してきた。住宅ローンがデフォルト(債務不履行)になるのを回避するためだ。

住宅ローンは2度再編、子供の学費は1年分滞納

 「銀行にいる昔の同僚たちのおかげで、債務再編を2度行うことができましたが、それでも返済を続けられなくなってしまったんです」。現在は投資コンサルタントとして苦労しているジョージさんは言う。「本当にお先真っ暗という状況でしたが、借り手が見つかり、引っ越すことができました」

 この家族はまだ、娘が通う私立のインターナショナルスクールの学費を1年分滞納している。ジョージさんによれば、この支払いの優先順位は高くない。同じ境遇の親がたくさんいるため、払えなくて恥ずかしい思いをすることはもうないという。