アップル、楽曲配信の対価めぐり方針転換 T・スウィフトの抗議で

米ラスベガスで開催された音楽フェスティバル「ロック・イン・リオUSA」で歌う米歌手テイラー・スウィフトさん(2015年5月15日撮影)〔AFPBB News

  日本でも曲が大ヒットしている米国の人気歌手、テイラー・スウィフトが米アップルに方針転換を迫ったというニュースが大きく報じられている。 

 それによると、彼女は6月21日の日曜日、自身のブログに投稿し、アップルが新たな音楽配信サービスでアーティストに、当初の楽曲使用料(ロイヤルティー)を支払わないとしている方針は不当だと抗議した。これに伴い、自身の最新アルバム「1989」をこの音楽サービスに提供しないことを決めたとも述べた。

「アップルのコストをアーティストが負担」

 米ウォールストリート・ジャーナルや米シーネットによると、彼女が問題としているのは、アップルが6月30日から世界100カ国以上で始めるストリーミング配信サービス「Apple Music」。

 これに先立ち、テクノロジーニュースサイトの米Re/codeは、アップルがこのサービスで音楽会社に支払うロイヤルティーの料率は、業界平均の70%を上回る71.5~73%と伝えていた

 だが、Re/codeによると、すべてのユーザーに提供される3カ月の無料トライアル期間中、アップルはロイヤルティーを一切支払わないという契約を音楽会社と結んでいる。

 今回のブログ記事を見ると、Re/codeのこの報道は事実だったようだ。

 テイラー・スウィフトはこのことに触れ、「ショッキングで、残念なこと。歴史的に見て、とても進歩的で寛大な企業であるアップルらしくない行為」と述べ、「私たちはアップルにiPhoneを無料でくださいとは頼まない。アップルも私たちに無料で音楽を提供してと頼まないでほしい」と締めくくっている。