(2015年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 サウジアラビアの国防相が今週、ロシアに赴く。石油王国で米国の同盟国であるサウジは、ウラジーミル・プーチン大統領との架け橋を築き、中東の盟主としての権威を発揮しようとしているのだ。

 国防相としてイエメンでのサウジの空爆作戦を率いたムハンマド・ビン・サルマン王子は19日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに合わせてプーチン大統領と会談する。

 この会談は、ロシア政府がいかにシリアで前へ進む方法を模索しているかを示している。

 ロシアは4年にわたるシリア内戦で「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」などのジハード(聖戦)主義者を含む反政府勢力と戦うバシャル・アル・アサド大統領の体制側の顕著な支援国だ。一方のサウジはアサド氏を退任に追い込むことを期待し、非宗教的な反政府勢力と「穏健」なイスラム主義の反政府勢力を支援している。

アサド後をにらんだ動き

 30歳の副皇太子によるロシア訪問の背景には、米国と湾岸諸国がアサド氏からの政治的移行を支持するようロシアを促しているという事情がある。

サウジ新国王、内閣改造で独自色 前国王の息子ら解任

今年1月に即位したサルマン国王〔AFPBB News

 サルマン国王が今年1月に即位してから、サウジは地域の競合国であるイランを抑制することに再び力を注ぐようになり、イラン政府と関係のあるイエメンの反政府勢力に対する空爆など、より介入主義的なアプローチを採用している。

 シリアでは、サウジは多種多様な反政府勢力の間の協力を育む手段として、綻びていたトルコとカタールとの関係を再構築しようとしてきた。