(2015年6月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ユーロ圏財務相会合、ギリシャ改革案を承認 支援延長に近づく

期限が迫るギリシャ支援交渉では、今月18日のユーロ圏財務相会合が1つの山場になる〔AFPBB News

 ギリシャで今年1月に急進左派が政権を握った時、新財務相のヤニス・バルファキス氏が経済学者であることが話題になった。『Game Theory: A Critical Introduction(邦題:ゲーム理論――批判的入門)』という共著もある学者が指導するのだから、ギリシャの交渉戦略では巧妙さや卓越した才覚が新たに発揮されるだろうと多くの人々が期待した。

 しかし、数カ月が経過した今、ギリシャは友人と資金を使い果たしつつある。

 デフォルト(債務不履行)の瞬間が迫る中、一部の同情的な評論家でさえギリシャ政府の行動には当惑している。

 ギリシャは一体どんなゲームをプレーしているのだろうか。可能性があるのは以下の4つの仮説だ。

ゲーム1:ギリシャははったりをかけており、自分たちは勝てるとまだ思っている。

 チプラス政権はまだ、欧州連合(EU)は欧州単一通貨という最も重要なプロジェクトが頓挫することを最終的には容認しないだろうと考えている可能性がある。政治的威信の失墜によるダメージも、金融危機が伝染するリスクも大きすぎるというわけだ。

 しかし、当のEUは、ギリシャが今にもユーロから飛び出しそうだと考えるその瞬間まで、本気で譲歩することはないだろう。従って、ゲームの最終局面が近づきつつあるとEUが確信するには、ギリシャ政府内でカオスやパニックが生じた証拠が必要になるかもしれない。

ゲーム2:ギリシャははったりをかけており、今になってようやく計算違いをしたことを理解しつつある。

 アレクシス・チプラス氏と急進左派連合(SYRIZA)は、EUの外交の舞台の新参者だ。1月の選挙に勝った時には、「財政緊縮」に反対する議論で勝つことも、同様な考え方をする仲間の国を欧州各地で見つけることもできると考えていた。