(2015年6月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

アリババ、無人機で茶を配送 中国3都市で3日間限定

中国の電子商取引大手アリババ集団の創業者ジャック・マー氏〔AFPBB News

 6月第2週、中国と米国の長い商業的ダンスが目覚ましい節目を迎えた。電子商取引大手アリババ集団の創業者、ジャック・マー(馬雲)氏がニューヨーク・エコノミック・クラブで講演し、その場を利用して、アリババがあまりに急成長を遂げているため「今年、我々(アリババ)はウォルマートより大きくなる可能性がある」と明かしたのだ。

 米国人の聴衆は、予想に反し、恐怖でたじろぐことはなかった。むしろ、マー氏のスピーチを感動的だと喝采した。

 なぜか。マー氏はアリババに抱く壮大な野望を説明しながら、世界貿易がいかに、米国人を含むすべての人に輝かしい未来を開き得るかという驚くほどカリスマ的な夢も描いたからだ。

 「今から10年後、(中国には)中産階級の人が5億人いる」と同氏は述べた。「(彼らは)米国(製品)に飢えている――我々は、米国の小さな企業が中国へ行き、モノを売るのを手助けする」

単なるPRと一蹴できないスピーチ

 PRとしては、スピーチは見事だった。結局のところ、マー氏はできる限り多くの人を説得して、売買のために彼のプラットフォームを利用してもらいたがっており、数年内に、アリババが中国国外から得る売上高の比率を現在の2%から40%へと引き上げることを期待しているからだ。

 たとえ企業のPR戦術のように見えたとしても、このスピーチを一蹴してはならない。米議会下院は、バラク・オバマ大統領に環太平洋経済連携協定(TPP)などの通商協定を遂行する権限を与える貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法案を承認すべきか否かについて採決を行う用意を進めている。

 マー氏のスピーチで最も際立ったことは、それが貿易の未来について、強烈に、かつ臆面もなく楽観的だったことだ。