(2010年9月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
破壊的な干ばつの影響で、今夏の小麦収穫は不作に終わった〔AFPBB News〕
破壊的な干ばつで今年の収穫がふいになったロシア穀倉地帯の農家は、からからに乾いた農地にようやく雨が降る可能性に賭けて、冬小麦の作付けを始めた。
「今作付けしないと、何も収穫できませんから」。ロシアの穀倉地帯の中心に位置するタンボフで、オクトーバーという名の農業事業体を経営するマクシム・ザーリン氏は、諦め顔でこう話す。今夏の不作のせいで、同農場では推定70万ドル近い損が出たという。
ザーリン氏をはじめとした大勢の農家の収穫の成否によって、ロシアが国際穀物市場に復帰して価格上昇圧力を和らげる時期が決まる(一方、最悪のシナリオでは、一段と価格上昇圧力が高まることになる)。
ロシアの穀物輸出禁止措置は小麦価格を2年ぶりの高値に押し上げ、2007年から2008年にかけての食糧危機再来の懸念を引き起こした。欧州産の製粉用小麦は9月6日に1トン=234.25ユーロまで上昇。ロシアの雨不足に対する懸念から先月つけた236ユーロの最高値にあと一歩まで迫った。
ロシア政府は2009/10年度に約6000万トンだった小麦生産量を2010/11年度には8000万~9000万トンに引き上げる計画で、その一環として今月末までに合計1800万ヘクタールの農地に冬小麦を作付けする目標を打ち出した。だが、農家やアナリストは、政府目標は楽観的だと考えている。
まだ土が乾燥していて作付けが成功しない恐れ
コンサルティング会社コモディティー・ウェザー・グループは、最近降った雨のおかげでロシアの穀物生産地の半分では「作付けに十分な水分」があるが、穀倉地帯のおよそ3分の1はまだ「乾燥し過ぎている」と見ている。
タンボフの例は、ロシアの農家、ひいては国際小麦市場の行く手に待ち受ける問題を示すものだ。タンボフはモスクワから南東へ400キロ行った場所、ロシアの穀物生産の大部分を担う広大で肥沃な黒土地帯の真ん中に位置している。
今週、雨が多少降ったため、農家は冬小麦の作付けを始めた。だが、種が根づくほど土に十分な水分が含まれているかどうか定かでないという。作付け作業は、大抵初霜が降りる9月末までに終えなければならない。
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