(2015年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国の株式バブルには、他のバブルと違う点が1つあるという (c) Can Stock Photo

 バブルはいろいろな形で現れる。しかし、興味深いのは、容易でない経済の移行を推進しようとする時に副産物として発生するケースが非常に多いことだ。実際、1920年代末期の米国株式市場の上昇は、それまで英国が担っていた世界の覇権国としての役割を引き継ぐ方向に米国がよろよろと歩みを進めていた時期のことだった。

 1980年代の日本で不動産・株式バブルが発生したのも、先進国に追いつく局面では非常によく機能した輸出主導の成長モデルが経済大国になったことで有効性を失った時のことだった。

 今日の中国も同じである。最初に発生した不動産バブルと始まって間もない株式バブルは、投資主導の経済成長から消費の比重が大きい経済成長に移行しなければならない経済における不均衡と大いに関係がある。

 そのような移行は容易ではない。なぜなら、既得権益と衝突するからだ。

あえて投資家を煽る中国当局

 中国の地方政府の幹部たちは、インフラ整備投資の資金調達が簡単に行えることやそれに伴う土地の収用から大きな利益を手にしてきた。国有企業も同じ甘い汁を吸ってきた。公的セクターには、現在の仕組みがとてつもなく心地よいと考えている者がどの階層にもいる。また、効果的な移行のカギである自由化は、共産党の権力を侵食するだけだ。

 改革が必要だと見ている共産党幹部たちは、中国経済の最近の停滞がもたらす別の困難にも直面している。共産党は高い経済成長を達成することでその正統性を確保しているため、幹部たちはプレッシャーを感じているのだ。