機能性表示食品に早くも安全性の問題が浮上

突きつけられる制度の矛盾、国は制度形骸化の歯止めを

2015.06.05(Fri) 白田 茜
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評価の中身は企業・商品でまちまち

 食品の機能性評価は「製品で行う臨床試験」か「製品もしくは成分で行う研究レビュー(SR:Systematic Review)」のいずれかになる(これについては、前回の「難しすぎる!機能性表示食品の課題多きスタート」をご参照いただきたい)。届出が受理された26件のうち、臨床試験による評価は6件。SRは19件で、臨床試験とSR両方を行ったものが1件あった。

 もっとも、評価方法のレベルには差がある。臨床試験の内容を見ると、対象者数や摂取期間などは事業者によってさまざまだ。例えば、ライオンの「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」は、BMI25以上で20 歳以上の男女 28 名を対象に8週間の摂取期間を設けた。一方、東洋新薬の「メディスリム」は、BMI 25以上で20〜65歳の男女90名を対象に12週間の摂取期間を設けた。「目の疲れ」という主観的な指標を用いて実験を行ったものもあった。

 すでにトクホで実績のある成分で安全性や機能性を評価したものもある。例えば、キリンビバレッジの「食事の生茶」と麒麟麦酒の「パーフェクトフリー」。届出られたのは、いずれもトクホで使用が許可されている成分「難消化性デキストリン」だ。「脂肪の吸収を抑える」「血糖値の上昇をおだやかにする」などの働きがあるという。「食事の生茶」は、これらの2つの機能性に「お腹の調子を整える」を加え、整腸作用の3つの機能をうたっている。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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