(2015年5月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国とブラジルは互いを補完する理想的なパートナーに見えるが・・・(©Can Stock Photo Inc./Alexis84)

 中国の李克強首相が5月第4週にブラジルに立ち寄った際、李氏とその相手方であるブラジルのジルマ・ルセル大統領は、530億ドル相当の商取引を発表することで強い印象を与えようとした。

 だが、このパッケージの多くは、特に経済成長の落ち込みを心配するブラジル国民にとってより魅力的に見えるように温め直された古い発表案件から成っていた。

過去の発表の「温め直し」

 例えば、中国がブラジル産牛肉に対する禁輸措置を解除するという素晴らしいニュースを例に取ってみよう。

 禁輸措置は「狂牛病」に対する不安から2012年に導入されたもので、中国とブラジルは最初、昨年7月にブラジルの牛肉輸出に対する禁輸解除を示唆した。そして両国は昨年12月にも禁輸解除を発表した。今は、6月までに禁輸措置が完全に解除されると約束している。

 ブラジルと中国との関係は本来、21世紀を特徴付ける2国間貿易パートナーシップの1つになる可能性を秘めた、天国で結ばれたような理想の組み合わせであるはずだ。

 すでに農業大国であるブラジルは今後数十年間、中国やその他アジア諸国の食料需要の拡大に応えられる可能性のある数少ない国の1つだ。

 一方、中南米最大の経済大国であるブラジルは、道路や鉄道、港、空港であれ、電力網であれ、インフラを整備する緊急の必要に迫られている。この点で中国は、インフラの専門知識を持ち、市場を探し求める余剰生産能力があるもう1つの大陸規模の国として、ブラジルを手助けするユニークな位置にいる。

 また、中国は貯蓄率が高いが、国内市場を発展させる必要がある一方で、ブラジルはほとんど貯蓄しないが、繁栄する消費者とサービス経済を誇っている。