(英エコノミスト誌 2015年5月16日号)

英国を欧州に引き留めるための国民投票に勝利することは、改革の終わりではなく始まりであるべきだ。

英首相、全国で地方分権推進を約束、スコットランド独立否決

英国のデビッド・キャメロン首相〔AFPBB News

 英国のデビット・キャメロン首相はほぼ2年半前、2017年末までに欧州連合(EU)加盟継続の是非を問う国民投票を実施することを約束することで、保守党内のEU懐疑派をなだめ、反乱を起こした英国独立党(UKIP)を食い止めようとした。

 その試みはうまくいった。5月7日の選挙では、英国とEUとの厄介な関係はほとんど争点にならなかった。

 UKIPは1議席しか獲得しなかった。キャメロン氏は予想に反して(わずかとはいえ)過半数を獲得した。そして今、ツケが回ってきた。

 国民投票には勝算がある。今後1年くらいで、キャメロン氏とジョージ・オズボーン財務相は恐らく、EU残留に票を投じるよう英国民を説得するだけのものをパートナー諸国から引き出すことができるだろう。

 だが、その勝利はただの最初の一歩でなくてはならない。本当の課題――英国の繁栄とEU全体にとって重要な課題――は、実を結ぶのにもっと長い時間がかかる。そのためには、キャメロン氏がこれまで示してきたより多くの継続的な取り組みも必要になるだろう。

英国のEU離脱問題

 経済とスコットランド分離がキャメロン氏の任期1期目を台無しにしかけたように、2期目は欧州が暗い影を落とす。EUほどキャメロン氏の党を苛立たたせるものはない。保守党内のEUに対する意見は、懐疑的なものから激しい怒りまで様々だ。

 もし英国がEUからの離脱に賛成票を投じた場合、英国は、EUが定めたルールによって管理されている世界最大の貿易圏、欧州経済地域(EEA)からも外れることになるだろう。EU加盟は理不尽な主権侵害であると結論付けた国は、自らが投票で脱退を決めたばかりのクラブから命令を受けることを確実に嫌がるからだ。

 そうなれば、外国人投資家はよそへ資金を回すだろう。スコットランドが英国からの独立に票を投じてもおかしくない。