(2015年5月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

BPはメキシコ湾の深海油田「マッド・ドッグ」の第2期開発について、投資の最終判断を先送りした(写真:BP)

 エネルギー会社が設備投資を削減し、新規プロジェクトを延期しているペースから判断すると、2015年は1986年によく似ている。

 30年近く前、サウジアラビアが市場シェアの大幅拡大に乗り出して原油安の引き金を引いたことがあった。

 西側のエネルギー会社はこの時、設備投資の大幅削減を強いられた。

 そして今、エネルギー業界は同様な対応を迫られている。サウジアラビア主導の石油生産国カルテル、石油輸出国機構(OPEC)が昨年11月、生産コストの高いライバルの供給増加を見て原油生産量の据え置きを決め、その威力を見せつけたからだ。この決定を受けて、原油価格は急落した。

 ノルウェーのエネルギーコンサルティング会社ライスタッド・エナジーが世界各地で計画中の石油・ガス開発プロジェクトを分析したところによれば、リターンの低下を受けてコスト削減に躍起になっているエネルギー会社が減速、延期、または中止した設備投資は計1000億ドルを超えており、26件の大型プロジェクトに影響が及んでいるという。

待ちの姿勢を決め込むエネルギー生産者

 また、エネルギー会社121社の2015年の設備投資計画を精査した投資銀行モルガン・スタンレーのアナリストらによれば、121社は2015年に1290億ドルの投資を計画しているが、この額は前年実績を25%下回るという。

 設備投資の縮小は、米国のシェール生産地における掘削リグ数の減少にはとどまらない。