(2015年5月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米軍がイラク西部で空爆、イスラム国を標的

イラク上空での空中給油のため、空中給油機「KC-135ストラトタンカー」に乗り込もうとする米兵ら〔AFPBB News

 あなたは戦争に関心がないかもしれないが、戦争はあなたに関心を持っている――。2003年に米国主導で行われたイラク侵攻について言うなら、レオン・トロツキーによるこの言葉はまさにその通りだ。

 米軍のヘリコプターがサイゴンから逃げ出した後、ベトナムが米国政治を長きにわたって悩ませたのと全く同じように、今日ではイラク・シンドロームが外交政策の議論をつけ回している。

 今回、その被害者リストに名を連ねたのはジェブ・ブッシュ氏だった。

 ブッシュ氏は先週、今日分かっていること*1を知っていたら兄のジョージ・W・ブッシュ前大統領と同じ行動を取っていたかという質問に対し、4つの異なる答えを出してしまった。

 4つ目でようやく「ノー」という正答にたどり着いたが、時すでに遅し。適切な言葉が出てこない、気まずい光景となった。

 しかも、この問題はまだ消えそうにない。米国への直接的な脅威とはならなかったベトナムとは違い、イラクは現在進行形の困難だからだ。

米国政治に長年影響を及ぼす過ち

 イラクとベトナムの間には重要な類似点が2つある。1つ目は、イラクが米国政治に向こう30年にわたって影響を及ぼす過ちであることだ。

 ジョージ・W・ブッシュ前大統領の父親であるジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は、1991年の湾岸戦争で早々と勝利を収めたことにより米国はベトナム・シンドロームを振り払ったと高らかにうたいあげた。

*1=2003年当時のイラクに大量破壊兵器はなかったということ