中国人訪日客といえば、東京都内では銀座、秋葉原、上野、浅草など「23区の東側」を好んで訪れたものだった。だが最近は個人旅行客の増加に伴い、その行動範囲は23区を越えるようになった。

 たとえば、「首都圏・住みたい街(駅)ランキング」(長谷工アーベスト調べ)で10年連続1位に輝く人気の街、吉祥寺は、中国人訪日客が好んで訪れる観光スポットになった。吉祥寺には中国人が大好きなジブリ美術館や閑静で広大な井の頭公園があったり、個性的で流行の先端をゆく店が多い点などが人気のようだ。

中国人訪日客の振る舞いに戸惑う日本人客

 しかし、地元民は必ずしもそれを全面的には歓迎していない。吉祥寺在住の主婦Sさんはこれを受け入れられない1人だ。

 最近は吉祥寺駅周辺にはほとんど出かけることもなくなったと話す。その理由は中国人訪日客の「ルール違反」にある。

 中国人女性が2人、店舗内の狭い通路にしゃがみ込み、スマホを見ながらゴソゴソとカゴに入れた商品の選別を始める。なかなか立ち上がろうとはせず、Sさんは欲しい商品を手に取ることができない。

「吉祥寺はドラッグストアの天国。お店は街のあちこちにありますが、もうどこもかしこも中国人訪日客だらけです。はっきり言って彼らの買い物には迷惑しています」と語気を強める。