(2015年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米ベライゾンがオールテル買収、AT&T抜いて全米首位に

デジタル広告での優位を得られるか〔AFPBB News

 「携帯電話は、ケーブルテレビのチューナーをポケットに入れて持ち歩いているようなものだ」。米国のインターネットサービス会社AOLのティム・アームストロング最高経営責任者(CEO)は先日のインタビューでこう語った。しかし、彼は典型的なケーブルテレビ業界関係者ではない。

 確かに、AOLはシリーズものの番組を制作している。だが、アームストロング氏が注目しているのは広告だ。

 そして、人々が持ち歩いている例のチューナーは、広告販売方法の劇的な変化の中心に位置づけられている。この変化を促しているのはデータの洪水と、狙った顧客にメッセージを発信する新しい道具の束だ。

 米国の通信最大手ベライゾンは、AOLを44億ドルで買収するという提案でこの変化に賭けている。同社が強い関心を示しているのはAOLの広告技術だ。これを使えば、人々が同社の携帯電話で動画を見る時間が伸びるにつれて広告の販売量を増やすことができ、グーグルやフェイスブックといったオンライン広告の大手と競うことができると思われるからだ。

デジタルメディア界の有力企業となったAOLの価値

 5年前にタイム・ワーナーからスピンオフしたAOLは、インターネット時代の先駆者からデータ駆動型広告に注力するデジタルメディア界の有力企業へと変身を遂げている。

 グーグルの広告事業の最高幹部だったアームストロング氏はAOLに加わってから、広告技術企業を数多く傘下に収めている。2013年に4億500万ドルで買収したデジタル動画広告会社アダプ・ティービー(Adap.tv)もその1つだ。AOLは先月、こうした技術を1つのシステムにまとめた「One by AOL」という新しいプラットフォームを公開した。