(2010年9月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
英国のトニー・ブレア元首相は待望の回顧録の中で、フランスが欧州連合(EU)憲法草案に反対票を投じた時に自身の政府閣僚たちが大喜びしたことや、なぜ英国をユーロに参加させない決意を固めたのかを明らかにしている。
ブレア氏は、英国を欧州の中心メンバーにするという野望を実現することができなかった。ブレア氏の外交政策は、閣内からの反対と、英国の国民とメディアの欧州懐疑主義によって阻止されたのだという。
イラク戦争については謝罪せず
ブッシュ前米大統領との密な関係により、ブレア氏はイラク戦争に踏み切った〔AFPBB News〕
代わりにブレア氏が首相官邸で過ごした時期は、米国のジョージ・ブッシュ前大統領との緊密な関係が大きな特徴となり、それによってブレア氏はイラク戦争に加わることになった。この出来事は氏の回顧録『A Journey(旅)』に非常に詳しく記述されている。
この本は、イラク戦争について謝罪しなかったとして、ブレア氏を批判する英国内の多くの人を激怒させた。ブレア氏は、毎日犠牲者のことを考えていると言っているが、「戦争を始めるという決断を後悔することはできない」と書いている。
だが、英国を完全にEUの枠組みに組み入れることができなかったことへの後悔は強く滲み出ている。
欧州の夢を果たせなかったという感覚は、ブレア氏がEU常任大統領の座を射止められなかった昨年、さらに強まった。このポストは、代わりにベルギーの首相だったヘルマン・ファンロンパイ氏のところに行った。
ブレア氏は、EU憲法を批准するかどうかを問う英国の国民投票の「戦いを心に描いていた」と話しているが、その機会は一度も与えられなかった。2005年にフランスが条約を拒否したことで、その案が死んでしまったからだ。
欧州統合に閣内からの反対
しかし、ブレア氏は欧州統合という概念を英国民に売り込みたいと思っていたかもしれないが、閣僚の多くは別の考えを持っていた。当時外相だったジャック・ストロー氏はブレア氏に、フランスの「ノー」の投票は素晴らしいニュースだと言ったという。
「私はむしろ国民投票を楽しみにしていたんだけどね」。ブレア氏がストロー氏に向かってこう言うと、「だとすれば、あなたは私が思っていたより愚かですね」と返されたそうだ。
-
品質を求め始めた中国の消費者 (2012.02.09)
-
高所得国の危機とインド経済 (2012.02.09)
-
円売り介入に警戒感強める為替トレーダー (2012.02.08)
-
ユーロ圏の盟主ドイツの悩み (2012.02.08)
-
米国の衰退の現実 (2012.02.07)
-
イタリア製造業を支える中小企業の苦境 (2012.02.07)
-
いよいよ本格化する中国富裕層の資本逃避 (2012.02.06)
-
フェイスブックはIPOを白紙撤回すべきだ (2012.02.06)
-
台頭する中国、不本意な超大国の試練 (2012.02.03)
-
ユーロ圏の景気回復を脅かす信用収縮 (2012.02.03)


SHARE
RESIZE
Small Size
PRINT
Small Size
Large Size











