(2015年5月9/10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

英総選挙、保守党が単独過半数で勝利 キャメロン首相続投

英5月8日、ダウニング街10番地の首相官邸前で写真撮影に応じるデビッド・キャメロン首相とサマンサ・キャメロン首相夫人〔AFPBB News

 英国に保守党政権が誕生する。デビッド・キャメロン首相は世論調査会社を当惑させ、世論調査会社の予想によって不意打ちを食らうことになった評論家は面目を失った。筆者もその1人である。

 キャメロン氏は保守党を率い、ジョン・メージャー元首相が1992年に同じ偉業をやってのけた時以来初となる単独過半数の完全勝利に導いた。

 もしかしたら、若きキャメロン氏が当時のメージャー首相の側近として仕えたことは、ただの偶然ではないのかもしれない。

 キャメロン氏はこの瞬間を味わっておくべきだ。今回の選挙は英国の2つの構成地域の物語を伝えた。ニコラ・スタージョン氏のスコットランド民族党(SNP)に驚異的な勝利をもたらしたスコットランドと、偏狭さを増す保守党にしがみついたイングランドだ。

スコットランドとイングランドの対立

 中道主義の自由民主党の破滅的敗北は2極化の感覚を増幅させた。英国、そしてキャメロン氏の保守党にとって、行く手には危険な時代が待ち受けている。

 2つの大きな問題が英国の政治を形作ることになる。4地域から成る連合の脆い未来と、対立しやすい状況がずっと続く英国とその他欧州諸国との関係だ。キャメロン氏にとっては、この2つの問題は試練と苦難しか意味しない。

 歴史は恐らく、蘇ったスコットランド人と憤慨するイングランド人との衝突に今回の選挙の本当の重要性を見て取るだろう。このナショナリズムに駆られ、対立を生むアイデンティティー政治が古い秩序をひっくり返すのだ。