以前は「顧客満足(CS)向上」と言いながら、建前論や「いつかいいことがあるんだろうなぁ」とぼんやりとした期待感で、なんとなく取り組んでいる活動が多く見受けられました。それが最近では、主要な戦略テーマや営業強化策として、顧客満足向上に本気で取り組む企業が増えています。

 しかし一方で、「CSは向上したのに売上やリピートが増えない」と、想定外の壁にぶつかることが少なくありません。

 この壁にぶつかったCS活動をひも解いてみると、CS向上の努力の方向性に問題があることが分かります。

 CS向上には2つの方向があります。本気になって顧客満足向上を経営貢献に繋げるためには、努力の方向を切り替えなければならないのです。

CS向上の2つの方向性とは

 CS向上に熱心に取り組んでいる企業では、たとえば、年に何度かCS総会が開かれて、優秀事例を表彰しています。社内広報誌や社内データベースで優秀事例を共有している企業もあります。

 ただし、こうして熱心に取り組んでいる企業でも、そこで取り上げられているのは、まだまだ「失点をなくす」ための事例が多いようです。