(2015年4月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

独フォルクスワーゲン、組立工場の自動車収納タワーを公開

1990年代初めにフォルクスワーゲン(VW)を破綻の危機から救い、巨大帝国に仕立て上げたフェルディナント・ピエヒ氏が辞任に追い込まれ、1つの時代が終わりを告げた〔AFPBB News

 ドイツ北部の都市ブラウンシュヴァイクは、堕ちた君主について多少のことを知っている。大聖堂の近くには、中世の君主「ハインリヒ獅子公」を称えるライオンの銅像が立っている。領土拡大を目論み、ミュンヘンを興したが、最後には孤立し、領土を奪われ、追放された人物だ。

 4月25日、ブラウンシュヴァイク空港で、現代の獅子であり、企業帝国を建設した男が有力役員らとの対決の後、失脚した。

 フェルディナント・ピエヒ氏(78歳)は、およそ60万人の従業員と2000億ユーロの売上高を誇る巨大自動車企業フォルクスワーゲン(VW)の会長として空港に到着した。

 それから2時間後、VWグループにおける全役職を辞して帰途に着いた。同氏が1993年にVWの社長に就任した時に始まり、2002年に監査役会長になった後も続いた1つの時代の幕切れだった。

「社長と距離」発言に、有力役員が猛反発

 今月グループの主導権争いが勃発するまで、VW「ビートル」の開発者の孫であるピエヒ氏は我を通すことに慣れていた。通常、VW監査役会の半数を占める従業員代表からの支持を当てにすることができた。

 ポルシェ家とピエヒ家――両家合計でVWの議決権の51%を握っている――は頻繁に意見が対立したが、最終的には妥協点を見いだす傾向があった。

 ブラウンシュヴァイクで、ピエヒ氏はVWの監査役会運営委員会から選ばれた役員たちの強力な連合に出くわした。