(2015年4月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

難民船転覆で9人死亡、3日間で5600人救助 イタリア沖

命がけで地中海を渡り、欧州へ向かう人が後を絶たない(写真は4月13日、イタリア沿岸警備隊がシチリア島沖で行った難民救助活動をとらえた映像からの一こま)〔AFPBB News

 今年の初め、パリの週刊紙シャルリエブドに対するテロリストの襲撃で12人が殺害された時には、200万人を超える人々がフランスの街頭に繰り出し、追悼と抗議のデモ行進を行った。

 先週末には、欧州に移住しようとした数百人の人々が地中海で溺れて亡くなったが、同様な心情の発露が見られることはなさそうだ。

 しかし、この悲劇が大規模で、その数字の背後にある人々の事情も注目されていることから、欧州の政治家たちは、これまで無視したいと思っていたこの問題にいよいよ向き合わざるを得ないかもしれない。

 欧州連合(EU)の外相たちは20日、ブリュッセルに集まって話し合い、緊急のEU首脳会議を開催せよというイタリアの要請に応じることを決めた。

人道的には許されない悲劇、いざ行動となると・・・

 それでも、実際に行動を起こすのは難しいかもしれない。EU首脳には3つの選択肢があるが、いずれも魅力的ではなく、政治家はこれを自分の問題として受け止めるのに消極的になっているからだ。

 このような悲劇にはとても耐えられない、何とか防がなければいけない――これが人として自然な反応だろう。従って第1の選択肢は、海上パトロールを強化して移住者をより多く救助するというものになる。