本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株 続伸 中国の冴えない経済指標を受けて追加緩和の期待が強まる―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は続伸しました。ハンセン指数は約1.4%上昇し、2万7,653ポイントとなっています。また、上海総合指数は6.2%上昇となり、4,287ポイントで引け、一時4,300ポイントの節目を超える場面がみられました。

先週のハンセン指数は、高値圏にあるだけに利益確定売りが出たものの、中国の第1四半期GDPや鉱工業生産などの経済指標の冴えない結果を受けて追加緩和の期待が高まるなか、内外資金の流入があり5週連続で上昇しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

相場の先高観が強まっており、香港証券取引所を運営する香港交易所及決算所は週間で約14%高騰し、1銘柄で相場を110ポイント余り押し上げました。また、原油価格が反発したことが好感され、昆侖能源(クンルン・エナジー)や中国海洋石油(CNOOC)などのエネルギー株は揃って週間で10%超上昇しました。

<下落>

13日から、香港政府が広東省深セン住民の香港へのビザが規制されたことが嫌気され、小売やカジノ関連の株が揃って軟調に推移しました。金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント・グループ)はともに大きく売られたほか、中国旺旺控股(ワンワン・ホールディングス)や康師傅控股(ティンイー)なども週間で6%を超える下落となっています。

先週発表された主な経済指標

4月13日 中国貿易収支 3月 +181.6億ドル 市場予想 +2500 億ドル、前回 +606.2億ドル
輸出 3月 -14.6% 市場予想 +8.2%、前回 +48.9%
輸入 3月 -11.3% 市場予想 -12.3%、前回 -20.1%

3月の中国の輸出は前年比14.6%の減少と、8.2%増の市場予想を大幅に下回りました。輸入は12.3%減を見込んでいた市場予想を上回り、前年比11.3%減と減少率が縮小しました。こうしたなか3 月の貿易収支は181.6 億ドルの黒字となり、市場予想を大幅に下回りました。

輸出については春節(旧正月)の影響が残っていたなかで、3月にはドル元が元高に振れてきたこともあり、伸び率は前月より急減となりました。地域別を見ると、各地域向けの輸出は軒並み著しく減少しました。また、輸入については前月に続き、やや弱い内需を受けても、減少率がやや鈍化したのは原油などの原材料の輸入価格が反発したことが窺えます。





4月15日 固定資産投資(前年比) 3月 +13.5% 市場予想 +13.9%、前回 +13.9%

3月の固定資産投資額は前年同期比13.5%増と、市場予想の13.9%増から伸びが低下しました。内訳をみると、3月の不動産投資が前月から前年比さらに減ったほか、建設業投資が前年比低下していたのも目立ちました。


4月15日 鉱工業生産(前年比) 3月 +5.6% 市場予想 +7.0%、前回 +7.9%

3月の鉱工業生産は前年比5.6%増と、市場予想の7.0%増から伸びが低下し、2009年6月以来最低となりました。これは中国国内の生産需給の弱含み傾向を示しています。




4月15日 国内総生産(前年比) 1Q +7.0% 市場予想 +7.0%、前回 +7.3%

2015年第1四半期の国内総生産(GDP)の伸び率は7.0%と市場が予想していた通りの結果となりました。内訳をみると、景気減速の背景には市場予想を下回る輸出や工業生産の停滞、不動産市況の悪化、消費の低迷があるといえます。政府は安定成長するために、積極的な財政政策(財政支出の回復や地方債務の借り換えなど)と金融政策(連月でマネーサプライM2などの増加と2月に預金準備率の引き下げ)に踏み出たものの、実体経済への効果がやや限定的で、今年は残りの四半期ごとに一段と利下げまたは預金準備率の引き下げが実施されると引き続き予想しています。



今後発表される主な経済指標

4月23日 HSBC中国製造業PMI 4月 市場予想 49.4 前月 49.6

4月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間23日に発表される予定です。4月のHSBC中国製造業PMIは49.4が予想されています。


マーケットビュー
―ハンセン指数、強弱混じる材料で一進一退か HSBC中国製造業PMIに注目―

先週に中国の第1四半期GDPや鉱工業生産などの経済指標の冴えない結果を受けて追加緩和の期待が高まるなか、内外資金の流入もあり、ハンセン指数は週間で380ポイント上げ、5週連続で上昇しました。

今週のハンセン指数は、強弱混じる材料で一進一退での推移が予想されます。17日に中国証券監督管理委員会(CSRC)が資産運用会社に空売りのための貸株を認めるとともに、空売り対象銘柄を拡大すると発表したことから、5週連続で3,800ポイント余り上昇してきたハンセン指数には利益確定の売りが出やすいといえます。一方で、中国人民銀行が19日に発表した市場予想を大幅に上回る1.0%の預金準備率の引き下げ(零細企業や農業向け融資の比率が高い金融機関などにはより大きな預金準備率引き下げが適用される)が相場の支えとなりそうです。

また、先週中国での新規上場(IPO)申請資金(計2.9万億元、約56万億円)の凍結が今週、徐々に解除されるほか、中信、海通、国泰君安といった大手証券三社の信用取引の口座開設が20日に解禁されることで信用取引の口座も増えそうで、中国からの豊かな流動性も相場の支援材料となりそうです。

なお、23日に中国のHSBC製造業PMIが発表される予定で、注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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