(英エコノミスト誌 2015年4月18日号)

ロシアのプーチン大統領は、自らの執拗な反欧米的発言に足を取られている。

クリミア編入1年、モスクワで「プーチン展」

今年3月、クリミアのロシア編入から1年を記念した屋外展覧会でウラジーミル・プーチン大統領の絵を見る人たち〔AFPBB News

 ウクライナ東部の戦闘が(少なくとも4月半ばまでは)比較的落ち着き、ロシア経済が比較的安定化していることで、2つの疑問が生まれている。この戦闘は最悪の状況を脱し、経済状況の改善がロシア政府を落ち着かせると考えてもいいのか? それともこれは、新たな嵐の前の静けさなのか?

 ロシアの経済状況は、4カ月前に多くの者が予想していたほど悪くない。

 価値の半分を失ったルーブルの相場は安定し、最近の原油価格上昇のおかげもあって、上昇する兆しさえ見えている。

 インフレ率は17%だが、その上昇ペースは多くの人が恐れていたよりも緩やかだ。マイナス5%と見られていた今年の経済成長率は、マイナス3%にとどまるかもしれない。

 この現況について、ロシアのある銀行幹部は「状況は多くの人が考えていたほど壊滅的ではない」と総括している。

ロシアの敵に強硬姿勢を取る指導者

 だが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、こうした危うい経済バランスを、平和と繁栄を回復すべきとする論拠としてではなく、自身がロシアの敵に強硬姿勢を取っている証拠として利用している。

 ロシア国営メディアは、ドルやユーロに対するルーブル高の傾向を、ロシアの壊滅を目指す米国や欧州の敵に対する勝利であると喧伝している。

 ロシア政府の語る戦争は、とうの昔にウクライナを越え、西側全体を相手にしたものに移行している。