(2015年4月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

流出データは破棄を、米ソニー映画会社がメディアに要請

米ロサンゼルスにある米映画製作大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの本社入り口〔AFPBB News

 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が米国企業に対する過去最悪のサイバー攻撃で麻痺状態に陥ってから5カ月。同社はシカゴ市長で元ホワイトハウス首席補佐官のラーム・エマニュエル氏が世に広めた金言に従った。「深刻な危機は決して無駄にすべきでない」というものだ。

 昨年11月、ハッカー集団がSPEのネットワークに侵入し、データを消去し、社内システムを破壊した。

 ハッカーたちは北朝鮮人で、攻撃は北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)氏の暗殺計画に関するコメディー映画「ザ・インタビュー」への報復だと疑われた。

 ハッカー集団は従業員の記録や新作映画、何千通もの機密メールも公表した。

 破壊されたシステムがすべて復旧した今、ソニーに近い関係者らは、同社はこの騒動をチャンスに変えようとしたと話している。

 しばらく続く興行成績の不振を反転させるために、ロサンゼルスの映画スタジオの経営、運営体制が再編された。SPEはより筋肉質でコスト意識の高いアプローチを採用し、親会社とより緊密な絆を築けるとの期待が広がっている。

ソニー本社との関係強化

 こうした絆のカギを握るのは、ソニー最高経営責任者(CEO)の平井一夫氏と、ソニーの映画スタジオ、テレビ、音楽、音楽出版事業を統括するソニー・エンタテインメントのマイケル・リントンCEOの関係だ。

 ソニーに近い関係者らによると、両氏はよりコスト効率の高い形で映画を製作、販売する必要性についてビジョンを共有しているという。