米・キューバ首脳が歴史的会談、冗談も飛び出す

パナマの首都パナマ市で首脳会談に臨み、握手する米国のバラク・オバマ大統領(右)とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長(2015年4月11日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が、パナマで開かれていた米州サミットの合間に、非公式ながら会談した。

 1961年に両国が国交を断絶して以来、両国の首脳が会談するのは初めてで、両国の歴史的な和解が進みそうだ。ヘミングウェイがこよなく愛したキューバへの郷愁は、多くの米国民が共有するものだけに、民主党大統領による「カリブ海の冷戦終結」は、2016年秋の大統領選挙にも影響を与えるのは確実だ。

経済封鎖は「愚かな政策」

 米国にとって、キューバとの国交断絶は「のどに刺さった骨」だった。キューバとの国交がない国は、米国やイスラエルなど数えるほどで、米国に追随する日本ですら戦前に移民を出した経緯もあり、戦時中を除いて国交関係を維持している。米国は1962年にキューバに対する経済封鎖を実施しているが、国連では毎年のように経済封鎖の解除を米国に求める決議が圧倒的多数で可決され、日本も封鎖の解除に賛成している。

 ワシントン駐在の記者だった2000年ごろに、キューバを2度訪れたことがある。冷戦の崩壊でソ連からの援助がなくなって10年ほど経っていたが、経済状態は厳しく、生活物資も満足に家庭には届かない状態だった。米国が経済制裁を解いて国交を再開し、キューバが中国のような改革開放経済を進めば、キューバ国民の生活はずっと豊かになり、フロリダ半島に漂着するキューバ難民に米政府が頭を痛めることもなくなると思った。