(英エコノミスト誌 2015年4月4日号)

政府はマスコミを苦しめるだけでは飽き足らず、自己を検閲している。

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ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領〔AFPBB News

 今年1月、ベネズエラの月間インフレ率が2ケタの領域に入った。あるいは、もしかしたら入っていないかもしれない。この主張は、野党の指導者エンリケ・カプリレス氏のツイートに最近登場したものだ。だが、それを確認するのは難しい。中央銀行は昨年12月からインフレ率を公表していないからだ。

 景気が落ち込み、モノ不足が広がり、インフレが高進するにつれ(2014年は70%近かった)、政府は仮に統計を公表するとしても、選択的に公表するようになっている。

 国際収支や鉱工業生産、国内総生産(GDP)の統計は、6カ月かそれ以上公表されていない。

 ベネズエラが今年中に実施される予定の議会選挙に近づけば近づくほど、有権者は自国の状態について知ることが少なくなる。

 1999年から政権の座にあるベネズエラの左派「ボリバル」政権は、ずっと独立系メディアを苦しめてきた。2007年には、当時ウゴ・チャベス大統領が率いていた政府が、その「メディア覇権」を確固たるものにする意向を表明した。

大手報道機関だけでなくソーシャルメディアも規制へ

 政府は、独立系のラジオ局やテレビ局に免許を与えず、新聞印刷用紙の供給を制限し、野党が運営するメディアに罰金を科し、政府と関係のある団体による新聞、放送局の買収を進めた。これらの戦術は奏功した。独立系の媒体は、主要都市以外の人にはほとんど届かない。

 今では、多くのベネズエラ人がニュースの拠り所にするようになったソーシャルメディアも圧力を受けている。昨年は、ツイッターの投稿が原因で7人が拘束された。6人はまだ拘留されたままだ。3月26日には、主任検察官のルイサ・オルテガ・ディアス氏が、噂が広がるのを避けるためにソーシャルメディアは「規制」されるべきだと述べた。