(2015年3月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

英首相、全国で地方分権推進を約束、スコットランド独立否決

保守党を率いて再選を目指すデビッド・キャメロン首相〔AFPBB News

 デビッド・キャメロン首相が「この30年間で最も重要な総選挙」と評する選挙は、そんなものではない。2010年に行われた前回の選挙の方が重要だった。当時は単一通貨ユーロが設計上の不備により頓挫しそうになっており、英国は国民所得の11%相当額に達していた財政赤字をどれぐらいのペースで削減するかを決めなければならなかった。

 当時に比べれば今日の空は、雲ひとつないとは言えないが、よく晴れている。

 有権者は5月7日の投票日に国の規模と輪郭について選択をするわけだが、先日発表された連立政権の予算案でキャメロン氏率いる保守党が目標を少し引き下げたことから、この選択も以前ほど極端なものではなくなっている。

 今回の選挙戦がまだ、火のついていないガソリンのような臭いを発しているのはそのせいかもしれない。いずれ着火することは間違いないが、そう言われ続けてもう1年になる。

 英国人は、男らしいところを見せたがるテレビ司会者が番組を降ろされた話や、終盤にさしかかろうかというサッカーシーズンには夢中になっており、首相が3月30日に正式にスタートさせた選挙戦にだけは関心を示していない。

 キャメロン首相と野党・労働党のエド・ミリバンド党首は先週、テレビの生放送で丁々発止のやり取りを延々と続けていたが、視聴率は2010年の選挙戦で最初に行われたディベートの時の3分の1にとどまった。

キャメロン氏とミリバンド氏の劇的に異なる個性

 とはいえ、選挙はやはり重要だ。ただ、その理由はキャメロン氏が示唆しているものとは異なる。今回の選挙で争うのは、いくらか異なる2つの政策プログラムと、劇的に異なる2つの個性だ。キャメロン氏とミリバンド氏は考え方が全く異なる。これほど似ていない2人が首相の座を争う展開になるのは、ここ数十年なかったことだ。

 我々は、政治の世界で個性に注目することを嫌うべきだとされている。これは堅苦しい考えだ。個性は政権のパフォーマンスにとても大きな影響を及ぼしているため、どちらかと言えば、個性に関する議論が足りないくらいだ。