(2015年3月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

コーヒー値上がり? 最大産地ブラジルで収量減少の見通し

レアル安を受け、ブラジルのコーヒー農家が輸出を増やしている〔AFPBB News

 中南米の政界賄賂スキャンダルと、安くなったコーヒー1杯の値段を結びつけるものは何か? その答えは、年初から対ドルでほぼ20%下落し、11年ぶりの安値をつけたブラジルの通貨レアルだ。

 ブラジル経済に対する懸念からすでに下落傾向が続いていたレアルは、国営石油企業ペトロブラスを取り巻くスキャンダル発覚の煽りを食った。

 ペトロブラスの元取締役数人が、政治家と結託して契約業者から賄賂を引き出したと告発されている。

 大半の原材料はドル建てで価格が設定されているため、通貨の変動は常にコモディティー(商品)市場に影響を及ぼしてきた。

 ブラジルの農家はレアルの弱さを感じ取っており、地元通貨に換算したドル建てコモディティーの収益が増加するにつれて、輸出を増やしてきた。

ブラジル農家を後押しするレアル安

 ニューヨークのコモディティーブローカー、ニューエッジのマイケル・マクドゥーガル氏は「ブラジルの通貨安はブラジル輸出業者に大きな後押しを与えている」と言う。

 通貨安は、賃金などの国内コスト基盤がドル建てで低下し、利益率を押し上げることも意味した。コーヒーから砂糖、大豆に至るまで、レアル安は国際市場におけるブラジル産コモディティーの競争力を高めることにもなった。

 レアルは今年第1四半期に、一時1ドル=3.31レアルまで下げ、最もパフォーマンスの悪い通貨の1つとなっている。ブラジルはコーヒーと砂糖の世界最大の生産国だが、為替要因はブラジルが輸出する他のコモディティー――大豆と鉄鉱石――にも波及する可能性があるとアナリストらは話している。

 コメルツ銀行はブラジル通貨の弱さが続くと見ており、「弱いマクロ経済的ファンダメンタルズ(基礎的条件)、複雑な政治情勢、社会不安に起因するレアルの弱さは長引くだろう」と予想する。