(英エコノミスト誌 2015年3月28日号)

期限が迫る中、ギリシャ国民は欧州が自分たちの離脱を容認するとは思えないと感じている。

ギリシャが無条件での支援延長を申請、ドイツは難色

ギリシャが金融支援を受けられなければ、4月中にも手元資金が枯渇すると言われている〔AFPBB News

 不確実で厳しい時期には、タックス・アムネスティ(税金恩赦)は国民のムードの刺激剤になる可能性がある。土木コンサルタントで、ギリシャの落ち込んだ不動産市場で生き延びようと奮闘しているステリオス・アリビザキスさんは、急進左派連合(SYRIZA)政権が税金債務を抱える人向けに1週間の「特別オファー」を発表した時に大喜びした。

 3月27日までに納付期限が過ぎた税金の一部または全額を払う気がある人は、累積した利息を免除される。

 所得税、不動産税、付加価値税を数千ユーロ滞納しているアリビザキスさんは「これで身辺を整理するのに一息つく余裕ができる」と言う。

 追い詰められたギリシャの実業家の多くが同じような反応を示した。財務省の税務ウェブサイトには、特別オファーが掲載されてから数分内に10万件以上のアクセスがあった。

 ギリシャの枯渇した国庫の補充を試みる責任を負うナディア・バラバニ副財務相は、掲載から最初の24時間内に5000万ユーロ(5500万ドル)集まったと語り、週末までに、さらに2億ユーロが国庫に流れ込むことを期待していた。

綱渡りの資金繰り

 この税収は、月末に年金と公務員の給料を支払うために戦っている政府関係者を元気づけるだろう。これによって、ギリシャが国際通貨基金(IMF)に4億5000万ユーロ分の融資を返済する予定になっている4月9日にデフォルト(債務不履行)が生じる可能性も回避できるかもしれない。

 だが、より重大なギリシャの財政問題を解決するのはそれほど簡単ではなく、1月の選挙でのSYRIZAの勝利後にギリシャを包み込んだ高揚感は収まった。ギリシャの債権者は、アレクシス・チプラス首相率いる、生意気で経験の浅い政府への締め付けを厳しくしている。