(2015年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

英首相、全国で地方分権推進を約束、スコットランド独立否決

BBCのインタビューで「3期目は目指さない」と述べたデビッド・キャメロン首相〔AFPBB News

 英国の政治家は長年、率直な質問に率直な答えを返せないことで愚弄されてきた。このため、デビッド・キャメロン首相はもしかしたら、今週のBBCのインタビューで、5月に2度目の負託を勝ち取ることができたら2020年に首相として3期目に立候補することはないと無邪気に明かしたことで賞賛されるべきなのかもしれない。

 この発言は、政治ばかりにとらわれず、どんな人であれ、ナンバー10(ダウニング街10番地の英国首相官邸)にとどまれる期間には現実的な限界があることを理解している人間だという印象を与える。

 だが、えげつない政治の観点からすると、キャメロン氏は危険な譲歩をした。強いられたわけではないだけに、なおのこと驚くべき譲歩だ。

 大半の近代民主主義国では、権力の座を狙う党首は無限のエネルギーを持つという印象を与えようと必死になる。自身の政治生命の終わりをほんのわずかでもほのめかしたら、蒸発しかねない印象だ。

なぜ今、自らのリーダーシップに期限を設けたのか?

 トニー・ブレア氏が2004年に同じような発表をした時(同氏の場合は4期目を目指す可能性を否定した)、当時労働党党首だったブレア氏から即座に権威が失われた。

 キャメロン氏が一体なぜ、気軽な雰囲気のテレビインタビューで、ニンジンを切りながら*1自身のリーダーシップに期限を設けたのかは、理解し難い。そんなことをする必要はなかった。2004年当時のブレア氏とは異なり、キャメロン氏は自身の率いる政党よりも人気がある。

*1=キャメロン首相はオックスフォードシャーの選挙区にある自宅で、自ら食事の用意をしながらインタビューを受けた