30人を守った観光ガイド、襲撃事件を振り返る チュニジア

襲撃事件が発生したチュニジアの国立バルドー博物館前の路上にできた血痕の上に置かれたバラの花〔AFPBB News

 ゲストに2人の高校生を迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(3月22日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。高校生英語スピーチコンテストで好成績をあげた高校生たちとのゲストトークのほか、時代とともに変化するテロとの戦いなどについて語った(ゲストトークは収録放送)。

軍隊で自国民を守るのは国際常識

中山 JBpressが『有事の際、海外の邦人救出はしなくて本当にいいのか』という元航空自衛隊空将の織田邦男氏の記事を配信しています。

 織田氏は、3月実施の世論調査では海外での邦人救出に自衛隊を活用することに「賛成」よりも「反対」の意見が上回ってはいるが、在外邦人救出は他人事ではなく、明日にでも自分の身にふりかかり得る事案であると述べています。

 また、適切な命令さえあれば、自衛官は日本人を救うために身の危険を顧みず行動するとしながら、一方でシビリアンコントロール(文民統制)を遵守するがゆえに、法整備が整っていなければ行動はできないと指摘。

 安全保障法制の審議では、国民の命と暮らしを守れる法整備を進め、国民が不安に駆られることのないように政府はしっかりと説明すべきだと伝えています。

 「在外邦人救出は明日にも起こり得る事案」という織田氏の指摘は、もっともです。現にチュニジアの首都チュニスで18日、武装グループが博物館を襲撃し、日本人3人を含む外国人観光客21人が死亡する事件が起きました。

 諸外国では、海外で苦境に陥った自国民を救うためには軍隊を派遣してでも国民を守るという国家の責務を果たそうとします。これが国際常識であり、日本も在外邦人救出のための法整備を進めるべきなのは当然ではないでしょうか。

 テロリストにルールはありません。ルールを持たない彼らと、法治国家というルールのある我々との戦いでは、テロリストの方が有利なのは明らかです。そんな前提のもとで我々はテロリストに立ち向かい、国民を脅威から守るのだということを忘れてはなりません。