本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株 中国IPO再開での需給悪化や冴えない経済指標を受けて大幅続落―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。ハンセン指数は1.4%下落し、2万3,823ポイントと心理的な節目である2万4,000ポイントを割り込みました。一方で上海総合指数は4%上昇となり、3,372ポイントで引けました。

先週から中国のIPOが再開したことによる需給悪化が懸念されるなか、1―2月の経済指標が総じて軟調だったことから、ハンセン指数は売り先行となりました。週後半にはマネーサプライM2が市場予想を上回ったことや周小川行長の発言も好感され、小幅に反発しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

12日に発表された金融統計でマネーサプライM2や融資増加額が市場予想を上回ったことが好感され、中国銀行(バンク・オブ・チャイナ)や中国工商銀行などの銀行株が揃って上昇しました。また、百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス)も好業績で大きく買われ、週間で5%近く上昇しました。

<下落>

一方、カジノ収入の低迷が警戒されている金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント・グループ)はともに軟調に推移しています。また、聯想集団(パソコンのレノボ・グループ)も週間で10%余り下落しました。

3月10日 生産者物価(PPI、前年比) 2月 -4.8% 市場予想 -4.3%、前回 -4.3%

2月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-4.3%から-4.8%に下げ幅が拡大し、市場予想より悪化しました。また、中国PPIは36か月連続でマイナスとなりました。内需の不足に加え、スチールや原油などの原材料価格が軟調に推移している限り、生産者物価のデフレーションは暫く続きそうです。


3月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 2月 +1.4% 市場予想 +1.0%、前回 +0.8%

2月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.4%の上昇と、前月から上げ幅が拡大しました。特に春節(旧正月)の影響で、食料CPIは前年比2.4%の上昇となり、野菜(13.6%)と果物(8.9%)の値上がりが目立ちました。食料除くCPIについては、前年比0.9%の上昇となり、特に旅行や交通などの物価の上昇が注目されます。


3月11日 固定資産投資(前年比) 1-2月 +13.9% 市場予想 +15.0%、前回 +15.7%

1-2月の固定資産投資額は前年同期比13.9%増と、市場予想の15.0%増から伸びが低下しました。内訳をみると、製造業投資が12月から大幅に減ったものの、建設業投資などは12月から増加しました。


3月11日 鉱工業生産(前年比) 1-2月 +6.8% 市場予想 +7.7%、前回 +7.9%

1-2月の鉱工業生産は前年比6.8%増と、12月の7.9%増から伸びが低下し、2009年6月以来最低となりました。これは中国国内の生産需給の弱含み傾向を示しています。


3月12日 マネーサプライM2(前年比) 2月 +12.5% 市場予想 +11%、前回 +10.8%

2月のマネーサプライM2は前年同期比12.5%増と、11%増の市場予想を上回りました。また、2月の新規人民元建て融資は10,200億元と、7,500億元の市場予想を大きく上回りました。さらに、総資金調達額(中国元)は13,500億元増と、市場予想を上回りました。全体的に見ると、マネーサプライM2の伸び率がリバウンドし、クレジットの供給も増加する傾向が出てきたようです。



今後発表される主な経済指標

特に重要な経済指標の発表はありません。

マーケットビュー
―ハンセン指数、米国のFOMCを控え様子見も中国の政策期待で反発か―

先週から中国のIPOが再開し需給悪化が懸念されるなか、1―2月の経済指標が総じて軟調だったことから、週前半にハンセン指数は大幅に下落しました。週後半にはマネーサプライM2や融資増加額が市場予想を上回ったことに加え、中国国人民銀行(中央銀行)の周小川行長が12日に行われた記者会見で、「株式市場への資金流入は実体経済の成長を支える効果がある」とコメントしたことが好感され、ハンセン指数は下げ渋ると小幅に反発しました。週間でハンセン指数は1.4%下落となり、心理的な節目である2万4,000ポイントや200日の移動平均線(2万3,915ポイント)を次々と割り込みました。

今週のハンセン指数は反発が予想されます。週前半の17―18日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われることから、利上げ時期を見極めたいという様子見ムードが強まるなか、積極的な買いが出にくいと思われます。ただ、先週に発表された冴えない経済指標を受けて、中国政府の追加緩和に対する期待が高まっているほか、先週の全人代で方針が明らかとなった、国有企業への出資構造の改編案が今月にも発表され、政府の関与を減らし経営の効率化を図るとの観測も浮上しています。こういった金融政策や国有企業改革への期待が相場の支援材料となりそうです。

反発が予想されるハンセン指数は先週超えられなかった200移動平均線を回復しそうです。先週のハンセン指数は週後半に反発をみせたものの、200移動平均線に上値を押さえられる格好となりました。こうしたなかで200移動平均線を超えてくることになれば調整一巡への期待も出てくることになりそうです。

なお、今週は米国でFOMCが開催されるほか、騰訊(テンセン)や、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国平安(ピンアン・インシュアランス)などの大手企業の決算発表もあり、注目が集まりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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