(2015年3月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 財政難に苦しむギリシャの急進左派連合(SYRIZA)政権が、年金と公務員の給与が今月確実に支払われるようにするために、同国の社会保障基金に数億ユーロ単位の資金を即座に引き渡すよう迫っている。

 年金・福祉基金が反対している前代未聞の銀行預金の移し替えは、予想外に大幅だった1月の税収減少に続くものだ。税収減を受け、ギリシャ財務省は、3月20日に期日を迎える国際通貨基金(IMF)への12億ユーロの融資返済を実行するために、資金集めに奔走することになった。

政府納入業者への支払いや付加価値税の還付が延期される可能性

ギリシャ支援、ユーロ圏財務相が4か月延長で合意

資金集めに奔走するギリシャのヤニス・バルファキス財務相〔AFPBB News

 ヤニス・バルファキス財務相は、ギリシャには今月の債務返済義務を果たすだけの現金があると主張しつつ、同時に、資金逼迫のために政府の納入業者への支払いと付加価値税の還付が延期される可能性があると警告している。

 だが、別の高官によると、一部の賃金支払い、年金給付の遅延を避けるために、政府は3月末までに追加で15億ユーロの資金をかき集める必要があるという。

 「多くの人にとって、欧州の中心に位置する国がこのような問題に直面しているということは、とても信じがたいことだ・・・ギリシャはベネズエラじゃない」。アテネのEFコンサルティングの社長で、IMFのギリシャ代表を務めた経験があるミランダ・クサファ氏はこう言う。

 社会保障基金とその他政府系機関は最大20億ユーロの現金準備を持っている。もしこのお金が中央銀行の共通基金に移し替えられれば、今月と来月の国家財政を救うことができる。中央銀行の共通基金はすでに、80億ユーロ以上に上る諸政府機関の現金を管理している。

 ギリシャは4月に一息つく余裕ができる。4月に支払い期限を迎えるのは、IMFに対する6億ユーロの利払いだけだからだ。その頃までには、SYRIZA政権は、構造的経済改革を十分に進め、ギリシャが現在の進捗評価を完了するまで支払いが保留されている72億ユーロの欧州連合(EU)の融資枠の一部を引き出せるかもしれない。

 かつてトロイカとして知られていた不人気な債権者「機関(institutions)」――欧州委員会、IMF、欧州中央銀行(ECB)の3機関――は、政府の資金調達努力を支持している*1

*1=先のギリシャへの支援延長がまとまった際に、公式にはトロイカという言葉を使うのをやめ、3機関と呼ぶことになった