(2015年3月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

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日銀の量的緩和を受け、日本円は大きく下落した〔AFPBB News

 底辺に向けた競争が始まった。期待外れの経済成長率に直面し、世界最大級の一部経済大国の政策立案者は、輸出主導の景気回復の引き金になることを期待して通貨切り下げに頼るようになっている。

 最初が日本だった。日銀が2013年4月に大規模な資産購入プログラムに乗り出して以来、円は対ドルで20%強下落した。次がユーロ圏の番だった。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和を受け、ユーロは過去1年で円と同じくらい下落した。

 中国でさえ、昨年下半期に人民元の対ドルレート上昇を容認した後、ここへ来て静かに元安誘導を決めた可能性がある。

 こうした動きの背後にある論理的根拠は、為替レートの低下は2つの点で国内生産者を後押しするという考えだ。まず、通貨安は輸入品価格を押し上げ、消費者が外国製品に見切りをつけて国産品に切り替えるようになる。次に、通貨下落は輸出品の相対価格を引き下げ、企業が国外で新規顧客を見つける助けになる、ということだ。

 「経済に対する正味のインパクトは、経済成長の改善だ」。世界銀行のプーナム・グプタ氏はこう言い、それは経済学の「実証研究において強力に裏付けられている」と付け加える。

英国と日本は単に不運だったのか?

 だが、低い為替レートの威力に対する信念は、複数の先進国の経験と相反する。金融危機の最中、英ポンドは通貨バスケットに対して25%以上下落した。しかし、これほどの通貨安でさえ、英国の経常収支を改善させることができなかった。同様に、円相場の急落は、海外での日本製品の販売をほとんど押し上げていない。

 両国に共通する1つの説明は、英国と日本は通貨下落のタイミングに恵まれなかったというものだ。

 英国は、最大の輸出市場であるユーロ圏がちょうど長い景気後退に入った時に、ポンド急落を経験した。同じように、日本はアジアで需要が鈍っている時に円を安値誘導した。急激な通貨安がなければ、英国と日本の輸出品の販売は実績以上に悪かったというわけだ。