(2015年3月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国で全人代開幕、李首相が汚染対策重視を明言

3月5日、中国・北京の人民大会堂で開幕した第12期全人代第3回会議で演説する李克強首相を映し出した議場内の大型スクリーン〔AFPBB News

 3月5日に開幕するまで、中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の年次全体会議は、例年よりは興味深いものになる見込みだった。

 もっとも、それも特に言うほどのことではないことは認めざるを得ない。

 何しろ、大半の立法措置は、175人から成る全人代常務委員会によって1年を通して行われる。

 概ね退屈な11日間の全体会議では、現在北京に集まっている2964人の「人民の代表」がさまざまな政府報告を圧倒的多数で承認し、この国を統治する中国共産党の指導部を称賛し、恐らく1つ、法制定の手続きをいじる改正「立法法」を可決するだけだろう。

 だが、ここ数週間、中国政界の各方面から上がった声は、それよりはるかに活発な全人代になることを示唆していた。

開幕前は外国批判が高まっていたが・・・

 労働組合の有力者は「敵対的な外国勢力」が中国国内の労働運動に入り込んでいると警告した。人民解放軍のある将官は、昨年の香港の民主化デモは失敗した「カラー革命」に相当すると発言した。中国最高人民法院(最高裁)と教育省のトップはそろって、「西側の価値観」の有害な影響を激しく非難した。

 より具体的に言えば、外国の銀行とハイテク企業は、中国の対テロ法案と、規制当局が「安全と見なし、制御できる」コンピューターとネットワーク機器の購入を強制する新規制の潜在的影響に対して身構えている。外国の非政府組織(NGO)も同様に、まだ起草中のNGO法の影響を恐れている。

 だが、全人代の開幕から4日経った今、敵対的な外国勢力の幽霊はまだ人民大会堂に姿を見せていない。

 李克強首相は年に1度の政府活動報告で、外国勢力、特に外国企業に関して何一つ悪いことを言わなかった。李首相は外国人投資家に、市場へのアクセス拡大と、外国の人材をもっと呼び込むための措置を約束した。西側の価値観の批判に最も近かった発言は、学生が「中国の特色ある社会主義への献身を強化する」必要性に遠回しに言及したことくらいだ。