先週の中国株式市場
―香港株 大幅安 全人代の政策発表を控える中来週のIPO再開も懸念され―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は大幅に下落しました。ハンセン指数は2.6%下落し、2万4,164ポイントで引けました。また、上海総合指数も2%下げ、3,241ポイントと3,300ポイント台を割り込みました。

中国人民銀行は先々週末に利下げを発表しましたが、週後半の全人代の政策発表を控えるなか、今週のIPO再開での需給悪化も懸念され、ハンセン指数は4日連続となりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

友邦保険(AIAグループ)は根強い業績期待を背景に、週間で6%を超える上昇となりました。また、中国パソコンの聯想集団(レノボ・グループ)や中国蒙牛乳業 (チャイナ・メンニウ・デイリー)などの上昇も目立ちました。

<下落>

一方、中国聯通(チャイナユニコム)は週間で約7%下落しました。また、中国の大型複合企業の華潤創業(チャイナ・リソーシズ・エンタープライズ)が業績不振で5%超安となりました。さらに、騰訊(テンセン・ホールディング)も4%余り下落し、週間でハンセン指数を71ポイント押し下げました。

先週発表された主な経済指標

3月8日 中国貿易収支 2月 +606.2億ドル  市場予想 +60 億ドル、前回 +600.3 億ドル
輸出 2月 +48.3% 市場予想 +14%、前回 -3.3%
輸入 2月 -20.5% 市場予想 -10%、前回 -19.7%

2月の中国の輸出は前年比 48.3%の増加と、14%増の市場予想を大幅に上回りました。輸入は10%減を見込んでいた市場予想を下回り、前年比20.5%減と減少率が拡大しました。こうしたなか2 月の貿易収支は 606.2 億ドルの黒字となり、市場予想を大幅に上回りました。

輸出については昨年の水準がかなり低いため、増加率は48.9%の大幅増となりました。地域別を見ると、アジア向けの輸出は増加した一方、日本向けの輸出は減少しました。輸入については前月に続き、やや弱い内需を受けて、主要な原材料の輸入数量と輸入価格とともに低下傾向が鮮明でした。


今後発表される主な経済指標

3月10日 生産者物価(PPI、前年比) 2月 市場予想 -4.3%、前回 -4.3%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の46.4から47.5まで改善し、下落が一服する兆しが窺えます。特に国際原油価格が反発したことから、PPIは下げ渋る可能性がありそうで、2月のPPI は-4.3%と前月から横ばいと見込まれます。


3月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 2月 市場予想 +1.0%、前回 +0.8%

2月の中旬には春節(旧正月)のため、特に野菜や果物などの価格が上昇したことを受けて、2月のCPIは前年比+1%の増加と予想しています。


3月11日 固定資産投資(前年比) 2月 市場予想 +15.0%、前回 +15.7%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。不動産関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資が堅調に推移しても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。2月の固定資産投資額は前年比15.7%増と見込まれています。


3月11日 鉱工業生産(前年比) 2月 市場予想 +7.7%、前回 +8.3%

2月中国製造業PMIは前月の49.8から49.9に改善したものの、内訳の生産指数は前月の51.7から51.4に下落しました。また、春節(旧正月)の休暇影響もあって、2月の鉱工業生産は前月から低下し、7.7%と見込まれています。


3月10日〜15日 マネーサプライM2(前年比) 2月 市場予想 +11%、前回 +10.8%

2月の貿易収支は606.2億ドル超の黒字となったほか、中国人民銀行(PBOC)の政策スタンスがやや緩和的にかわってきたことから、2月のマネーサプライM2(前年比)は前年比+11%と、前月から小幅に上げ幅が拡大すると予想されています。



マーケットビュー
―ハンセン指数、IPO再開で需給悪化も売られすぎ感で下げ一巡後反発か―

中国人民銀行が2月28日に利下げを発表しましたが、先週のハンセン指数は下落しました。週後半に全人代の政策発表を控え様子見となるなか、今週のIPO再開での需給悪化も懸念され、ハンセン指数は3日から4日続落となり、週間で約660ポイント下げました。

輸入が著しく低下した中国の貿易統計をみると、内需に力強さがみられません。また、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が新たな新規株式公開(IPO)銘柄を承認したことから、新規上場が今後相次ぐとの観測による需給悪化懸念も相場の重荷となりそうです。先週末に発表された米国の雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想を大幅に上回ったことから、FRBの利上げ時期が前倒しとの懸念がくすぶり、先週末の米国株も大幅に下落しました。こうしたなか今週のハンセン指数は売り先行となりそうです。

ただ、追加の金融緩和への根強い期待があるなかで、RSIやボリンジャー・バンドなどのテクニカル指標に売られすぎのシグナルもみられることから、短期的には200日の移動平均線(2万3,887ポイント)が相場の支えとなりそうです。200日の移動平均線近辺で下げ渋り、反発をみせるかどうかが注目されます。

なお、今週は消費者物価指数や鉱工業生産などの重要な経済指標の発表や12日に中国移動(チャイナ・モバイル)の決算発表もあり、注目が集まりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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