(2015年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ベネズエラ、首都市長を逮捕 「米支援のクーデター関与」

2月19日にカラカス市長のアントニオ・レデスマ氏が逮捕されたことを受け、カラカスの情報当局前で抗議する支持者ら〔AFPBB News

 迷彩服に身を包み、突撃銃で武装したベネズエラの警察が先週、カラカス市長のアントニオ・レデスマ氏を市長室から連行した時、政府を批判する著名人がまた1人収監されることになった。

 石油価格の下落で悪化する経済危機のさなかで大統領の人気が落ち込んでおり、多くの人は、今年争われる中間選挙を前に、ベネズエラの社会主義政権がどんな手段を使っても政権の座にしがみつこうとすると心配している。

 与党のベネズエラ統一社会党(PSUV)が敗北すれば、リコール投票への扉が開く可能性もある。

支持率低下に苦しむ大統領、中間選挙を前に野党有力者を相次ぎ逮捕

 世論調査によれば、貧しい生活を送っている、政府の権力基盤の大部分は、まだ忠誠を尽くす可能性が高い。しかし、故ウゴ・チャベス氏の後を継いだが、同氏の政治手腕と大衆へのアピールを欠くニコラス・マドゥロ大統領は、ベネズエラ経済が縮小し、物資不足が深刻化する中で国民の不満に直面している。

 カラカスの政治アナリストで世論調査も手掛けるルイス・ビセンテ・レオン氏は、レデスマ氏――強硬な野党政治家で、ここ数年、中央政府によって市長としての権力を奪われてきた――の逮捕は、より抑圧的な局面の到来を告げる可能性があると見ている。

 「政府は政治の急進化に向けて新たな境界を突破し、抑圧的な権力の強力なメッセージを送ろうとしている」。レオン氏はこう語り、マドゥロ氏がほぼ2年前に大統領に就任してから、政府に対する支持は半減したと付け加えた。

 世論調査会社インテルラセスのオスカル・シェメル氏は、今ではベネズエラ人の7割がマドゥロ氏の国家運営を評価していないと述べている。

 20日夜、レデスマ氏はベネズエラ政府に対する陰謀を企てた容疑で起訴された後、ラモベルデ軍事刑務所に移送され、著名な急進的野党指導者のレオポルド・ロペス氏と合流した。多くの人が政治囚と呼ぶロペス氏は、1年前に43人の死者を出した反政府デモを先導した罪を問われている。米国と国連はロペス氏の釈放を求めている。