(2015年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ユーロ圏GDP、前期比0.3%減 10~12月期

ギリシャとユーロ圏の債権者による先日の合意で、差し迫った政治・経済危機の脅威は先送りされた〔AFPBB News

 筆者はギリシャ危機の展開を観察しているうちに、同じくらい強力な正反対の考えに引き裂かれる感覚にとらわれた。

 1つは、通貨ユーロはもう存続し得ないということ。もう1つは、ユーロを救うためにあらゆる手を尽くさねばならないということだ。

 ギリシャとユーロ圏の債権者による先日の合意は良い展開だと言える。目前に迫っていた政治・経済危機の脅威が先送りされたからだ。

 しかし、過去の経験を踏まえれば、ギリシャとの合意の耐久性は、ウクライナでの停戦合意のそれを若干上回る程度でしかないかもしれない。どちらの合意においても、その根底にある緊張と問題は、巧みに作成された文書で解決できるものではない。

単一通貨ユーロが存続し得ないと思う理由

 欧州単一通貨のアイデアが最初に提示された時からずっと、この構想は結局失敗に終わるだろうと筆者は考えていた。この見方は3つのシンプルな命題に基づいている。

 第1に、政治同盟という後ろ盾がなければ通貨同盟はいずれ存続できなくなる。第2に、欧州には政治同盟を下から支える共通の政治的アイデンティティーが存在しないため、政治同盟は実現しない。従ってユーロはいずれ破綻するだろう、というわけだ。

 この数年間、何人もの人々が筆者の考え方を変えようとし、3つの命題はいずれも浅はかで間違っていると説いてきた。しかし筆者は、いろいろな出来事を観察するたびに、通貨ユーロにはその存続に必要な政治的・経済的な土台が欠けているとの見方に舞い戻ってしまうのだ。