(2015年2月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ギリシャが無条件での支援延長を申請、ドイツは難色

債務問題を巡る前哨戦では、ギリシャが債権者に屈する形になったが、本格的な戦いはこれから始まる〔AFPBB News

 もしこれがドイツでの経済の一般的な考え方に対する挑戦だったのであれば、今回は失敗だった。

 ブリュッセルで先週成立したギリシャ支援延長に関する妥協は、急進左派連合(SYRIZA)の新政権が目指していたものではなかったからだ。

 交渉における同政権の立場は、2つの理由から脆弱だった。第1に、ギリシャの預金者は2月20日に10億ユーロを超える預金を外国に移していた。支援を延長してもらわなければ、ギリシャの銀行システムは数日のうちに崩壊していただろう。

 第2に、ギリシャ政府はユーロ離脱の計画を策定していなかった。そのため、重要なポイントすべてをドイツが支配した案で合意するしかなかったのだ。

4カ月しかない猶予期間

 しかし、この合意の有効期間は4カ月にすぎない。ギリシャの財政ポジションの長期的な行く末を左右する、最も重要な戦いに備える期間は4カ月しかないのだ。

 債権者とのこれまでの合意では、ギリシャ政府はプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字幅を今年は国内総生産(GDP)比で3%、2016年には同4.5%確保することになっていた。欧州連合(EU)はギリシャに債務の返済を促し、GDP比175%に達している債務残高を2022年までに110%相当額にまで減少させたいと考えている。

 経済史の教えるところによれば、これほど大きな規模の調整はうまくいかない。有権者が耐えきれないからだ。

 SYRIZAが選挙前に掲げた主な要求のリストには、債務会議の開催が含まれていた。ギリシャ政府と債権者が正式な「ヘアカット(債務の名目残高の削減)」で合意し、ギリシャがユーロ圏にとどまれるようにするための会議のことだ。債務残高が減少すればするほど、債務削減目標の達成に必要なプライマリーバランスの黒字は小幅で済む。